新たなガス惑星2つを発見、アマチュア科学者の貢献で

市民科学者の貢献により、太陽系外にある巨大なガス惑星が2つ見つかった/Scott Wiessinger/NASA

市民科学者の貢献により、太陽系外にある巨大なガス惑星が2つ見つかった/Scott Wiessinger/NASA

(CNN) 地球から352光年離れた恒星の周回軌道に、巨大なガス惑星が2つ存在することが、新たな研究で明らかになった。天文学者と協力して発見に一役買ったのは、アマチュアの「市民科学者」たちだった。

2つの太陽系外惑星はそれぞれ、「プラネットb」「プラネットc」と呼ばれる。両惑星が周回するのは「HD152843」という恒星で、質量は太陽と同程度だが、大きさや明るさは太陽の1.5倍に上る。

発見を記した論文は今月、英王立天文学会月報に発表された。

プラネットbの大きさは海王星に近く、地球の3.4倍ほど。地球の12日間で恒星を1周する。その外側にあるプラネットcは地球の5.8倍と、土星をやや下回る規模で、公転周期は地球でいう19~35日だ。

もし両惑星が太陽系内にあれば、太陽に近い軌道を周回していることになる。

市民科学者らは今回、米航空宇宙局(NASA)から資金提供を受けるプロジェクト「プラネットハンターTESS」に参加することで、こうした系外惑星の発見に貢献した。同プロジェクトには「ズーニバース」と呼ばれるウェブサイトからアクセスでき、世界中から2万9000人以上が参加する。一般の人でもNASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)から得られたデータを使い、系外惑星探しに関わることが可能だ。

TESSは2018年4月に打ち上げられ、これまでに100個以上の系外惑星を検出、2600個を超える未確認の惑星候補を発見した。

有志の市民科学者は、一般入手できるTESSのデータを使い、恒星の明るさを示すグラフ「光度曲線」を詳しく調べる。もし、明るさの落ちている恒星があれば、惑星がその恒星の前を通過(トランジット)したことを示している可能性がある。

複数の人から同じ光度曲線が提出された場合、アルゴリズムがそれを収集して、研究者に分析に回す。これにより、研究者は追跡調査の対象となる系外惑星の候補を得ることができる。コンピューターは他の現象を惑星と誤って検出しやすく、常に正しく惑星候補を検出できるとは限らないため、人間の目で光度曲線を確認することが助けとなる。

英オックスフォード大学で天体物理学の博士過程に所属する論文の筆頭著者、ノラ・エイスナー氏は「そのせいで多くの系外惑星候補が見逃されてしまう。市民科学が素晴らしい理由はここにある」と語る。

市民科学者が収集したHD152843の情報は、研究者によって分析され、モデルとの比較が行われた。その結果、恒星により近い惑星「プラネットb」が2回横切り、3回目は外側にある「プラネットc」が横切った可能性が高いことが判明した。

その後、アリゾナ州フラグスタッフのローウェル天文台にある分光装置と、スペイン・ラパルマ島の国立ガリレオ望遠鏡にある「HARPS―N」を使って追跡踏査が行われた。

今後はさらなるデータや観測により、両惑星の質量も特定できそうだ。

両惑星とも生命が存在するにはあまりに熱くガス成分が多いものの、太陽系外で見つかる様々な惑星についての情報を提供してくれる。将来、10月に打ち上げ予定のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測が行われれば、大気の有無や組成を決定できる可能性もある。

今回の論文には、研究に参加した市民科学者も共著者として名を連ねた。

共著者の1人、シーザー・ルビオさんは7歳の息子を持つ。息子はルビオさんと一緒に惑星や恒星の話をするのが大好きだ。

「私はそうした関心を育もうとしているところだ」とルビオさん。「たとえ小さな部分に過ぎなくても、自分が貢献しているという感覚がある。科学研究に貢献できるのはとりわけ満足感が高い」

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