鉄器時代の人々も遺品で死者を追想、英研究

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スコットランドのブロックスマスにある城塞集落跡の壁から石臼などが発見された/From Broxmouth Project Archive

スコットランドのブロックスマスにある城塞集落跡の壁から石臼などが発見された/From Broxmouth Project Archive

(CNN) 鉄器時代の英国では、愛する人の遺品を身に付けることがありふれていたとする研究が、21日付の考古学誌アンティクイティ上で発表された。

英イングランド北東部にあるヨーク大学の考古学者らは今回の研究で、彼らが「問題の品」と呼ぶ、死者の所持品のうちで、残された人々が使用したいと考えるような物ではないものの、捨てることは出来ないと感じる物に焦点を当てた。

研究者らは、スコットランドのブロックスマウスにある、紀元前640年から紀元210年にさかのぼる丘の上に入植者が築いた城塞(じょうさい)集落跡で、円形状の小屋の壁の合間から、さじの骨角器や石臼といった日用品を発見してきた。

研究者らはこうした品々が、死者をしのぶ物としてその場所に置かれた可能性があると考えている。

鉄器時代の英国では、遺体を葬らずに自然にかえす風葬のような方法が一般的に行われていた。それゆえ通常は、遺体のそばに遺品を供える墓が存在せず、考古学者たちはこれによって、なぜ遺品が小屋の壁の合間に供えられていたのかを説明できる可能性があると考えている。

論文の主執筆者で同大学に所属する考古学者のリンゼー・ブースター氏はプレスリリースで、こうした遺品は、死別の際における「ありのままの感情の力」を保持することができると説明。

同氏はCNNに対し、そうした「ありふれた物」によって、残された人々が「喪失感や悲しみの感情、そして自らの死について考えることに目を向けさせ、死者との間で「絆を保ち続ける」ことが出来ると説明。

先史時代においても、生と死の経験は「ある意味、私たちのものとそれほど変わるものではない」と述べた。

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