まるで雨雲、上空を覆う羽アリの大群をレーダーが観測 英気象庁
(CNN) ロンドンなど英国の南東部で、羽アリの大群が上空を覆う雨雲のように見える現象が観測され、レーダーがとらえた画像を英気象庁が公開した。
英気象庁は17日のツイッターへの投稿で、この画像について「ロンドンやケント、サセックスは雨が降っているわけではありません。レーダーに映っているのは別のものです」とツイートした。
レーダー上では雨雲がかかっているように見えたが、同地のこの日の天気は乾燥した晴天だった。大群は17日午前、2時間ほどレーダーに映っていた。
気象庁が昆虫を疑ったのは、粒子が雨粒の形をしておらず、横幅よりも縦の長さが長い昆虫の形をしていたためだった。
この推測が当たっていたことは、同地で羽アリの大群に言及する「#flyingants」「#flyingantday」のハッシュタグを付けた投稿が相次いだことで確認された。
It's not raining in London, Kent or Sussex, but our radar says otherwise...
— Met Office (@metoffice) July 17, 2020
The radar is actually picking up a swarm of #flyingants across the southeast
During the summer ants can take to the skies in a mass emergence usually on warm, humid and windless days #flyingantday pic.twitter.com/aMF6RxR943
羽アリの大群は、レーダーには映らなかった東部でも報告されていた。
これは英国では例年、夏になると観測される現象で、「羽アリデー」とも呼ばれる。
王立生物学会によると、この現象は、若い女王アリがオスのアリたちを従えて巣を離れ、繁殖して新しいコロニーを形成する際に発生する。そのためには特定の気象条件が整う必要があることから、多くのアリが同じ日に巣を離れる。
同協会はアリの役割について、土壌を豊かにして地面に空気を行き渡らせ、鳥の餌にもなるなど環境の役に立っていると指摘している。