南極東部を襲った史上初の熱波、生態系への影響に懸念

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ロシアの海洋調査船から眺めた南極の棚氷/Alexey Kudenko/Sputnik/AP

ロシアの海洋調査船から眺めた南極の棚氷/Alexey Kudenko/Sputnik/AP

(CNN) 南極大陸の東部にある研究基地で、史上初の熱波が観測された。同地の熱波は前例がないと研究チームは指摘し、動植物への影響を懸念している。

熱波は同地の夏に当たる1月23日~26日にかけ、南極東部のバドコーストに面したベイリー半島北部にあるケイシー基地で、オーストラリア南極計画の研究チームが観測した。

同地の気温はこの3日間で史上最高を記録、ケイシー基地では24日に9.2度を記録した。

この3日間の最低気温は氷点下を上回り、最高気温は7.5度を超えた。

この記録は31日の学術誌に発表された。研究チームでは、最高気温と最低気温の両方が極端な日が3日続いた場合を熱波に分類している。

気温が氷点下を上回れば氷の融解を加速させる。南極は温室効果ガスの影響で急速に温暖化が進んでいる。

夏の暑さは広範な生態系に影響を及ぼす恐れがあると研究者は警告する。「南極の生命はほとんどが小さな氷のないオアシスに存在していて、雪と氷が解けた水に大部分を依存している」。南極に詳しい生態学者のダナ・バーグストローム氏はそう解説する。

「雪解け水はそうした生態系に水を供給し、コケや地衣類、微生物、無脊椎(せきつい)動物の繁殖を促進させる」「だが過度の浸水は植物を押し流し、無脊椎動物と微生物群の構成を変化させてしまう可能性がある」「氷がシーズンの初めに完全に解ければ、生態系はそのシーズンを通じて干ばつに見舞われる」(バーグストローム氏)

南極はこの夏、全土で記録的な暑さが続いた。2月には南極の北端にあるアルゼンチンの研究基地で、観測史上最高の18.3度を記録していた。

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