火星の砂嵐、「惑星覆い尽くす規模」に 探査車は依然通信途絶
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は21日までに、先週火星を襲った巨大な砂嵐について、「惑星全体を覆い尽くす規模」に達したと発表した。この砂嵐の影響で、NASAの火星探査車「オポチュニティー」は今も通信途絶の状態が続いている。
オポチュニティーの通信が途絶えたのは10日。稼働に必要なエネルギーが無くなったためで、休眠状態に陥った。火星上は砂嵐により昼でも夜同然となっており、オポチュニティーは現在も通信途絶が続いている。
オポチュニティーは火星上で稼働している探査車としては最も歴史が古い。今は火星の「忍耐の谷」で耐えている状況で、技術チームでは砂嵐の終息後に通信が再開するのではないかと期待している。
オポチュニティーは忍耐の谷で、形成の経緯を調べるための観測を行ってきた。水流や風による浸食で地形が削られた可能性に加え、複合要因も視野に調査を進めている。谷の形成の経緯を知ることで、火星の歴史への知見が得られる可能性もある。
火星ではオポチュニティーの他にも、探査車の「キュリオシティ」や、「マーズ・リコネサンス・オービター」「2001マーズ・オデッセイ」「MAVEN(メイブン)」といった周回探査機が観測を支援している。
マーズ・リコネサンス・オービターはオポチュニティー担当の技術者に、砂嵐の襲来に関する早期警戒情報をもたらした。他の2つの周回探査機は砂の量を測定したり、高層大気の動きを調べたりすることが可能だ。
キュリオシティは原子力電池で稼働しており、今でもツイートや自撮りを行っている。