太陽系外からの使者「オウムアムア」、初の恒星間小惑星と確認

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「オウムアムア」、初の恒星間小惑星

(CNN) ハワイの天文台で10月19日に観測された物体は、太陽系外から来た「恒星間小惑星」で、これまでに観測されたどの天体とも違っていた――。ハワイ大学などの研究チームが20日の科学誌ネイチャーにそんな研究結果を発表した。太陽系外からの物体が観測されたのは初めて。研究チームはこの物体を「オッドボール」と呼んでいる。

高速で移動するかすかな光体は当初、太陽系内から来た彗星(すいせい)か小惑星と考えられていた。しかし軌道を調べた結果、恒星間の空間から飛来したことが分かったという。

研究チームは複数の望遠鏡でこの物体に照準を合わせ、時速13万8000キロの超高速で視界から消えるまでの3夜にわたって観測を続けた。

ハワイ大学天文学研究所のカレン・ミーチ氏によると、この物体は高速で回転していて、大きさは少なくともフットボール競技場ほど。明るさが大きく変化する様子が観測された。

表面は岩盤に覆われ、細長い葉巻のような形をしていて、何百万年も宇宙線の放射線にさらされた影響で暗い赤みがかった色をしているという。成分は金属でできている可能性が高く、7.3時間ごとに自転していた。

長さが幅の10倍もある形状の天体が観測されたのは初めて。明るさの変化はこの複雑な形状が原因だった。

国際天文学連合は、この物体を初の恒星間小惑星と分類し、「A/2017 UI」と命名した。その後、ハワイの言葉で「遠い過去からたどり着いた使者」というような意味の「オウムアムア」という正式名が付けられた。

米航空宇宙局(NASA)の研究者は、「このような恒星間天体の存在は、理論上は何十年も前から指摘されていたが、初めてその存在が直接的に証明された」と解説する。

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