FRB議長、トランプ関税がなければ利下げしていた

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上院の銀行・住宅・都市問題委員会に出席したFRBのパウエル議長=6月25日、米首都ワシントン/Kent Nishimura/Getty Images

上院の銀行・住宅・都市問題委員会に出席したFRBのパウエル議長=6月25日、米首都ワシントン/Kent Nishimura/Getty Images

(CNN) 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は1日、ポルトガル・シントラで開かれた主要中央銀行トップのフォーラムで、トランプ米大統領による大幅な政策変更がなければ、FRBは今年、利下げに踏み切っていただろうとの認識を示した。

FRBは今年に入って一度も利下げしていない。中央銀行の幹部らは、トランプ氏が課した関税が米経済に何らかの影響を与えるとの見方から、利下げを再開する前に事態が落ち着くのを見極めたいと語っている。

しかし、こうした慎重な姿勢がトランプ氏の不興を買っている。トランプ氏はこれまで、パウエル氏を「能なし」や「間抜け」と呼び、利下げに踏み切らないことを繰り返し批判してきた。6月30日には自身のSNSに手書きメモを投稿し、米国より金利が低い国が「何十カ国もある」とし、パウエル氏が「米国に莫大な損失を負わせ続けている」と非難した。

それでも7月の利下げは難しいとの見方が強い。市場は、7月下旬に開かれるFRB会合で金利を据え置く確率を81%、0.25ポイント利下げする確率を19%と見ている。

パウエル氏はフォーラムで、FRB当局者の大多数は、インフレと労働市場の動向次第で今年後半のある時点で利下げすると予想していると述べた。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は前日、パウエル氏を「勇気ある中央銀行家の典型」と称賛していた。この日も同じ討論会に同席し、パウエル氏の非政治的、データ重視の姿勢を支持した。

パウエル氏はこれまで、トランプ氏による批判についてコメントを避けてきた。トランプ氏の厳しい発言が金融政策の運営を困難にしているかとの質問に対しては、「自分の職務を遂行することに集中している」と述べた。

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