トランプ関税、米中間層に年間33万円の負担 米中貿易摩擦緩和してもなお
(CNN) 米中が両国間の関税を暫定的に大幅に引き下げることで合意した。しかし、トランプ米大統領による貿易戦争が緩和の方向に向かってもなお、米国の家庭や経済全体へのダメージを解消するには十分ではないことが分かった。12日に発表された調査で明らかになった。
イエール大学予算研究所の試算によると、米中貿易摩擦をめぐる進展を考慮しても、トランプ氏が今年課す関税は依然として短期的に物価を約2%押し上げ、典型的な中間層の世帯は年間2237ドル(約33万円)の負担を強いられる。
これは同研究所が4月中旬に試算した3443ドルを下回るが、平均すると、年間2800ドルの負担が生じることになる。
短期的には依然として大幅な価格上昇が見込まれており、衣料品(14%)、コンピューター・電子機器(14%)、靴やハンドバッグなどの皮革製品(15%)などが挙げられる。
報告書によると、米国が課す関税と外国からの報復措置は、今年の実質GDP(国内総生産)成長率を0.7%ポイント押し下げるとみられる。
失業率は0.35パーセントポイント上昇すると予想される。つまり、年末までに45万6000人の雇用が失われる。
それでもなお、トランプ氏による対中関税の引き下げは大きな効果があり、今年のあらゆる関税による経済への悪影響を40%軽減すると予算研究所はみる。
一方で、関税は依然として高水準にある。
予算研究所は平均関税率が17.8%と推定しており、1934年以降で最も高い水準にある。中国の関税が引き下げられなかった場合、同27.6%となり、03年以降で最高水準となっていた。