ビル・ゲイツ氏、資産29兆円を今後20年以内に全額寄付 財団の慈善活動を加速

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インドネシアのスビアント大統領と面会するビル・ゲイツ氏=5月7日、ジャカルタ/Achmad Ibrahim/AP

インドネシアのスビアント大統領と面会するビル・ゲイツ氏=5月7日、ジャカルタ/Achmad Ibrahim/AP

ニューヨーク(CNN) 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は8日、今後20年以内に自身の資産「ほぼすべて」を分配する計画を発表した。同氏の資産は約2000億ドル(約29兆円)と推定される。慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」は2045年12月31日に閉鎖するという。

00年にゲイツ財団を設立した際、ゲイツ氏は遺族の財産を使い、死後数十年にわたり財団の活動を継続させる計画だった。しかし現在は自身の資産の大部分を寄付するのにそれほど長い時間はかけたくないと述べている。

この発表は、トランプ政権が保健や対外援助などの公的支援プログラムへの資金削減を進める中で行われた。これらはゲイツ財団が支援する分野でもある。資金削減は研究や重要なプロジェクトを停滞させるのではないかとの懸念を引き起こしている。

ゲイツ氏は8日のブログ投稿で、財団のグローバルヘルスと公平性に関する取り組みを加速させ、他の億万長者の模範となることを期待していると述べた。

今年70歳を迎えるゲイツ氏は「私が死んだら、人々は私について色々なことを言うだろう。しかし、『裕福なまま亡くなった』とは言わせないと決意している」とつづっている。「解決すべき喫緊の問題があまりにも多く、人々を助けるために使える資金を手元に置いておくわけにはいかない」

世界最大級の慈善団体であるゲイツ財団は設立以降、世界中の疾病対策のための新たなワクチンや診断ツール、治療提供装置の開発などに1000億ドルあまりを寄付している。特にパンデミック(疫病の世界的大流行)以降は寄付のペースを加速させてきたが、今回の発表は、その動きを劇的に加速させる。ゲイツ財団はこれを「近代史上最大の慈善活動」と称している。

今後20年間、ゲイツ財団は三つの主要目標に注力する。それは、母子の予防可能な死をなくすこと、致死的な感染症を根絶すること、そして世界中の何億人もの人々を貧困から救うことだ。

ゲイツ氏は8日に掲載されたフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、富豪のイーロン・マスク氏が「世界で最も貧しい子どもたちを殺している」と非難。同氏が政府効率化省(DOGE)で米国の国際援助プログラムを削減していることに言及した。また、今回の発表を行った8日のニューヨークでのイベントでゲイツ氏は、2月にトランプ大統領と面会し、特に国際開発局(USAID)の支援削減について懸念を伝えたと述べた。

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