航空各社がベラルーシ上空の飛行中止、ライアンエア便の「乗っ取り」非難

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ミンスク国際空港に緊急着陸したライアンエア機=23日/Petras Malukas/AFP/Getty Images

ミンスク国際空港に緊急着陸したライアンエア機=23日/Petras Malukas/AFP/Getty Images

ロンドン(CNN Business)  ギリシャからリトアニアへ向かっていた旅客機がベラルーシに強制着陸させられて反体制派のジャーナリストが逮捕された問題で、欧州連合(EU)は24日、航空各社に対し、ベラルーシの領空を避けるよう促した。

同日記者会見した欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は、ベラルーシからの航空機に対してEUの領空を閉鎖すると述べ、EUの航空会社に対してはベラルーシ上空を飛行しないよう要請。近くさらなる経済制裁を科すと言い添えた。

フォンデアライエン委員長は今回の事態を「表現の自由と欧州の主権に対する攻撃」と位置づけ、「乗っ取りに関与した個人に加え、この(ベラルーシ)政権に資金供給している企業や経済団体にも追加的な制裁を科す」と語った。

今回の問題では、23日に欧州格安航空大手ライアンエア4978便が、ベラルーシ管制塔の指示で同国の首都ミンスクに緊急着陸した。これを受けてシンガポール航空やドイツのルフトハンザ航空などの大手が相次ぎベラルーシ上空の飛行を避けると表明している。

ルフトハンザ航空は当初、ベラルーシ上空の飛行を継続し、フランクフルト発ミンスク行きの便も予定通り運航するとしていたが、24日遅く方針を転換し、当面の間、ベラルーシ領空での運航を停止すると表明した。

エールフランスKLMもEUの要請を受け、ベラルーシ上空の飛行を中止した。これにはベラルーシのベラビア航空とKLMが共同運航するミンスク便も含まれる。エールフランスは25日、既にルート上にある便は飛行計画を変更すると発表した。

スカンジナビア航空は24日、スウェーデン運輸局の指示に従って、ノルウェーの首都オスロとウクライナの首都キエフを結ぶ週2回の定期便のルートを変更すると発表した。

ラトビア国営航空会社エア・バルティックは24日、状況がはっきりするか、当局の決定が発表されるまでの間、ベラルーシ領空への進入を避けると発表した。

キプロスを拠点とするアビアソリューションズグループは、バルト地域を拠点とする傘下の航空会社はベラルーシの領空を使用しないと表明。ハンガリーの格安航空会社ウィズエアーは24日、ウクライナとエストニアを結ぶ便のルートを変更したことを明らかにした。

英民間航空局(CAA)はベラルーシ上空の飛行を避けるよう英国の航空各社に通達し、ブリティッシュ・エアウェイズは当局の指示に従うと表明した。

CAAはさらに、ベラルーシの航空会社の運航許可を停止すると発表した。これにはベラヴィア航空やチャーター便の運航も含まれる。

米運輸省のピート・ブティジェッジ長官は24日、米国の航空会社がベラルーシ上空を安全に飛行できるかどうか検討していると述べた。

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