バイデン氏の財政・金融チーム、巨大な株式バブル生む可能性

バイデン次期政権が財務長官に起用する見通しのイエレン氏(左)とパウエルFRB議長/Alex Wong/Kevin Dietsch/Pool/Getty Images

バイデン次期政権が財務長官に起用する見通しのイエレン氏(左)とパウエルFRB議長/Alex Wong/Kevin Dietsch/Pool/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はこのところ、追加刺激策が高インフレを招く可能性よりも、労働市場の厳しい現状を警戒する姿勢を鮮明にしている。この見方は元上司であるイエレン前FRB議長にも共通している。

バイデン次期大統領はイエレン氏を財務長官に起用する方針のため、イエレン氏とパウエル氏は再びタッグを組むことになりそうだ。それでは投資家は、両氏の政策が高騰する株式市場をさらに押し上げる可能性を警戒すべきだろうか。

米プルデンシャル・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「パウエル氏は労働市場に言及することが多く、景気回復は職を求める全ての労働者に波及しなければならないと指摘してきた。しかも、イエレン氏は労働経済学の専門家だ」「従ってFRBのハト派姿勢が行き過ぎ、インフレの過熱を招く可能性はある」と話す。

足元ではインフレは懸念材料になっていない。FRBがインフレ指標として重視する個人消費支出価格指数をみると、ここ1年間の消費者物価の伸びは2%を下回る。

政策金利が直ちに変動することもなさそうだ。16日に発表されたFRBの景気予測によると、政策金利はあと数年の間、ゼロ付近に据え置かれる見通し。

ただ一部では、こうした政策がバブル形成につながる可能性も懸念されている。目下、株式市場は史上最高値圏で推移し、住宅市場も過熱状態にある。

忍び寄るインフレ?

インキャピタルのチーフ市場ストラテジスト兼上級トレーダー、パトリック・リーリー氏は「当局の数値には人々が日常生活で目にする物価上昇が反映されていない」と指摘する。

前出のクロスビー氏が懸念するのは、FRBが金融市場の好調さを維持するため、金利上昇を確実に阻止する目的で介入を続けることだ。

10年物米国債の利回りはこのところ1%に近づいており、景気過熱の兆候とも取れる。ただ、FRBの債券購入が大幅な金利上昇を防いでいる面があり、これが裏目に出る可能性もありうる。

クロスビー氏は「投資家にとっては債券市場が適切に機能することが必要だ」と述べ、「インフレ率が上昇し始めたらどうなるのか。その場合、FRBはどう対応するのか」と懸念を示した。

こうした懸念を背景に、株式市場は高騰を続けるかもしれないが、FRBとイエレン氏が景気刺激策を打ち止めにしても経済は大丈夫だと示唆し始めたとたん、急落するのではないかとの警戒感が高まっている。

テーパータントラム再び?

緩和縮小のタイミングが問題になるのは初めてではない。

2013年、当時のバーナンキFRB議長が金融危機後の債券購入プログラムを縮小し始めたとき、金融市場は「テーパータントラム(緩和縮小をめぐる混乱)」に見舞われた。当時の債券購入も金利抑制と景気刺激が目的だった。

今回はパウエル氏が過去の経験に学んでいることが期待される。専門家の間では、パウエル氏が急激な引き締めに動くことはないだろうとの予想もある。

ただ大きな懸念となるのは、株価が上昇を続けるにつれて人々が経済に対する自信を深め、インフレ圧力が高まることだ。

最終的に、FRBは景気過熱を冷ますため、想定より早く動かざるを得なくなる可能性もある。

インキャピタルのリーリー氏は「インフレは最初は一時的なようでもやがて定着する。モノやサービスの値段を引き上げても消費者の根強い需要が見込まれるのに、なぜ価格を下げるのか。そう考えるのが当然の論理だ」と指摘。「FRBは緩やかなインフレなら許容できるが、爆発的なインフレは許容できない」との見方を示した。

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