生活苦にさらされる米大学の非常勤教員

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デュケーン大学は同大の関係者がボイトコさんの置かれた状況に対するケアをしたと説明する。だがそのような慈善行為が懸命に働いてきた非常勤講師との雇用契約の上で適切な処遇だとはいえない。

問題はボイトコさん個人のレベルではない。大学教員の多くを低賃金で従事させる労働環境の構造に対して、集団的に対処することが必要だ。デュケーン大学は非常勤講師による組合を認め、団体交渉に応じ、ボイトコさんの名を冠した基金を創設すべきだ。

問題は「我々は労働者をどう扱うのか」ということだ。世界で最も裕福な国にいながら、社会の大部分の人々を貧困のふちに追いやるような雇用環境を許容し続けるのか。それとも、労働者全員に報いるために人々の意思を束ねていくのか。大学の関係者は、ボイトコさんのたどった運命は自分たちを待つ暗い未来だと認識し、もっと公平な未来を模索する必要がある。

非常勤の教員たちの間からは、現状打破に向けた動きが始まっている。待遇改善を求める団体に加わる人もいるし、全米各地の大学では非常勤教員の組合を結成する動きも出ている。各種手当や生活するに足る給料といった労働条件の向上は、学生や大学にとっても利益になるというのが非常勤教員たちの主張だ。

誰もボイトコさんが経験したような処遇を受けてはならない。アメリカの高等教育は学生を導く教師にもっと報いることができるし、そうすべきだ。

本記事は米アリゾナ大学で高等教育を研究するゲイリー・ローズ教授によるものです。記事における意見や見解はすべてローズ氏個人のものです。

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