トンガ火山噴火で記録的な雷発生、6時間で約40万回

2022年1月に起きたトンガの海底火山の噴火で、記録的な数の雷が発生していたことがわかった/Tonga Geological Services/Reuters

2023.01.09 Mon posted at 14:00 JST

(CNN) 2022年1月に起きたトンガの海底火山噴火は世界的な津波を引き起こし、地球温暖化の原因となる大量の水蒸気が成層圏に放出された。

それに加え、この噴火はわずか5分で2万5500回を超す雷を発生させ、6時間の間に発生した雷は40万回近くに達したという観測結果が、このほど新たに発表された。噴火のピーク時には世界で発生した雷の半分が、同火山の周りに集中していた。

世界各地の雷を観測している環境モニタリング会社ヴァイサラによると、フンガトンガ・フンガハーパイ火山の大噴火はあらゆる記録を打ち破った。同社が40年にわたり行っている雷観測で、雷が最も極端に集中した事象だったと位置付けている。

同社が発表した年次報告書によると、2022年は雷が極端に多い年だった。同年、米国で発生した雷は1億9800万回を超え、21年より400万回増加。20年と比べると2800万回多かった。「雷は増え続ける傾向にある」とヴァイサラの専門家は指摘する。

噴火に伴って発生した雷の1分間のスナップショット

米ワシントン大学率いる世界観測網がとらえた世界の雷とフンガ火山の雷に関する観測結果も、ヴァイサラの観測結果と一致しているという。

同観測網のディレクター、ロバート・ホルツワース氏は「強い噴火は雷を発生させ、雷は検出可能な無線信号を世界中に発信する」「フンガ噴火の雷活動は間違いなく印象的だった」とCNNに語った。

雷は一般的に温暖化を表す兆候とされ、気候危機の重要な指標として使われている。雷は大気の不安定化に伴うエネルギーの乱れの中で発生し、比較的温暖で湿潤な大気を必要とすることから主に熱帯地方や夏の間に発生する。

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