東京五輪、組織委事務総長は土壇場の中止の可能性を否定せず

メキシコの代表選手が入る選手村の入り口=19日、東京/Michael Kappeler/picture-alliance/dpa/AP

2021.07.21 Wed posted at 10:59 JST

(CNN) 東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は20日、新型コロナウイルスの感染拡大で大会を土壇場で中止する可能性について問われ、「そういう状況が出た時に考える」と語った。

東京都の集計によると、都内では20日、1387人の新規感染者が確認された。五輪関係者では20日までに70人以上が検査で陽性判定を受けている。

開会式が23日に迫るなか、武藤氏は「今の段階では感染拡大するかもしれないし、収まるかもしれない。具体的にはそういう状況が出てきた時に考える」と述べた。

同氏はまた、日本政府と東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)との5者協議では感染状況を引き続き監視する方針が明示されたと話し、今後も必要に応じて協議が開かれるとの見通しを示した。

東京都には来月22日までの間、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発令されている。都内や近隣会場での競技は無観客で開催される。

新型コロナの陽性反応を示したため五輪を欠場するテニス女子米代表のコリ・ガウフ選手

公衆衛生学の専門家で英キングス・カレッジ・ロンドン元教授の渋谷健司氏は20日、ロイター通信とのインタビューで、感染対策のために選手らを外部と隔離する「バブル方式」がうまく機能していないとの見解を示し、「かなり崩壊しているのは明らか」と述べた。

渋谷氏はさらに、「根本的な問題」は五輪を安全に開催するための「開かれた透明性のある議論」が欠けていることだと主張。入国者の行動を追跡する手段や、選手や報道陣を14日間隔離する体制がないと指摘した。

開会式は予定通り実施される見通しだが、主催側の報道担当者はCNNに、参加者の人数はまだはっきりしないと話した。

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