「ドラキュラの居城」、勇気ある訪問者にワクチン無償提供 ルーマニア

ブラン城前には「ワクチン接種を怖がるものは誰だ」との文言とドラキュラの牙が注射器になった絵が掲げられ、接種を促している/Daniel Mihailescu/AFP/Getty Images

2021.05.11 Tue posted at 09:14 JST

(CNN) 「ドラキュラの居城」とも言われるルーマニアの城が来訪者に対し、新型コロナウイルスワクチンを無償提供している。ワクチン接種キャンペーンの一環だ。

同国トランシルバニア地方にあるブラン城は7日、フェイスブックへの投稿で、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの接種キャンペーンを発表した。

1388年に完成したブラン城はブラソフ市郊外に位置する。アイルランド人作家ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」(1897年出版)の主要登場人物、ドラキュラ伯爵の居城に似た外観を持つ。

ドラキュラ伯爵の着想源となったのは15世紀の君主、ブラド3世ドラキュラと考えられている。ブラド3世は「串刺しブラド」の異名で知られ、残忍な拷問を命じて治世中に数万人を殺した。

今ではブラン城は人気観光スポットになっている。フェイスブックへの投稿によると、5月の週末に来訪した人は予約なしでワクチン接種を受けられる。

ブラン城を訪れた人は米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンの接種を受けられる

接種完了者はもれなく「ブラン城で接種した証明書」を受け取り、城内の訪問を希望する場合、「中世の拷問器具の展示」を無料で見学できる。城に入らずに接種を受けることも可能だという。

ブラン城は今回はドラキュラとのつながりを生かしたい考えだが、公式サイトではドラキュラが実在すると思うかもしれない人へのメッセージも掲載。「ブラン城の来訪者はブランの史実と、ブラム・ストーカーの小説の登場人物とを区別する必要がある」「ドラキュラは想像の中に存在する」としている。

米ジョンズ・ホプキンス大のデータによると、ルーマニアの新型コロナ感染者は100万人以上、死者は2万9000人超に上る。

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