カースト最下層が抗議デモ、一部暴徒化で8人死亡 インド

デモ中に殴られる抗議者=2日、ウッタル・プラデシュ

2018.04.03 Tue posted at 10:11 JST

(CNN) インド各地で2日、カースト(身分制度)の最下層「ダリット」出身者ら数万人が、憎悪犯罪をめぐる最高裁判決に抗議するデモを展開し、一部が暴徒化して8人の死者が出た。

デモはインド国内の少なくとも10州で実施され、鉄道の運行停止や店舗の閉鎖が相次いだ。当初は平和的なデモとして始まったが、中部マディヤ・プラデシュ、北部ウッタル・プラデシュなど少なくとも7州で警官隊との衝突など暴力が発生した。

マディヤ・プラデシュ州では5人の死者が報告されている。警察は最初の死者が出た直後、一部地域に夜間外出禁止令を出した。

ダリットの割合が最も多い北部パンジャブ州では、公共交通機関がストップして銀行や学校が閉鎖され、高校の統一試験も延期された。

抗議デモのなか、火をつけられた公共バス

首都ニューデリーでもデモが実施されたが、暴力は起きていない。

ダリットはカーストを構成する4階級よりさらに下の身分と位置付けられ、「不可触民」として差別されてきた。

最高裁は3月20日、下位カーストや部族に属する人々への憎悪犯罪の容疑者を警察が逮捕する前に、予備的な捜査が必要だとする判断を下した。ダリット出身者らはこれに対し、憎悪犯罪を裁く妨げになると抗議している。

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