ニューヨーク(CNNMoney) 2016年の米大統領選挙にロシアが介入したとされる疑惑を巡り、フェイスブックやツイッターに加えて人気ゲームの「ポケモンGO」なども利用されていた可能性があることが13日までに分かった。CNNが独自取材で明らかにした。
ロシアが関与する宣伝キャンペーンは、白人警官による黒人の射殺に抗議する「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」運動の一部を装って展開され、フェイスブックやインスタグラム、ツイッター、ユーチューブ、ポケモンGOを利用したほか、一部マスコミにも接触していた。
問題のキャンペーンは「ドント・シュート・アス(私たちを撃たないで)」という名称で、ロシア政府の関与が指摘される「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」という企業が展開していたと思われる。
この問題に詳しい関係者によると、フェイスブックではIRAに関係があると判断された470件のアカウントが削除された。ドント・シュート・アスのアカウントもその1つだったという。
同キャンペーンのアカウントはインスタグラムやツイッターでも削除された。ユーチューブのチャンネルやウェブサイトは12日現在も存在している。
このキャンペーンに関連するウェブサイトからリンクが張られたタンブラーのアカウントでは、2016年7月に、ポケモンGOコンテストの開催が発表され、ユーザーに参加を呼びかけた。
コンテストは、黒人が警官に殺害された現場の近くでポケモンを見つけて鍛えるという内容で、ユーザーに対し、自分のポケモンに事件の犠牲者の名を付けるよう促していた。
大会を宣伝する投稿には、ニューヨーク市で警官に首を絞められて死亡したアフリカ系米国人エリック・ガーナーさんの名を付けたポケモンも使われていた。大会の勝者には、インターネット通販大手アマゾンのギフトカードを進呈するという触れ込みだった。
コンテスト主催者の狙いは不明だが、現場近くの住民に事件のことを思い起こさせ、怒りをかき立てようとした可能性もある。
ポケモンGOのユーザーがこのコンテストに参加しようとした痕跡は、CNNの取材では確認されていない。
ポケモンGOを開発した米ナイアンティックはCNNの取材に対し、「我々のゲーム資産が許可なく第三者による宣伝に悪用された」とコメント。ただし問題の「コンテスト」は同ゲーム内で行われたわけではないと強調している。