中国軍事演習、153機が台湾周辺で活動 過去最多
(CNN) 中国が14日に台湾海峡および台湾を取り囲んで実施した陸、海、空軍の合同軍事演習で、過去最多となる戦闘機などの軍用機が活動したことが分かった。台湾国防部(国防省)が明らかにした。
国防部によると、14日から15日にかけての25時間の間に、台湾周辺で153機の中国機が検知された。
そのうち111機の軍用機が「中間線」を越え、台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。
ADIZは一方的に設定されたもので、国際法で領土の海岸線から12カイリ(約22キロ)の範囲と定義されている主権空域とは異なる。中国軍機による台湾の領空への侵入は確認されていないが、これは重大なエスカレーションと見なされる措置だ。
直接比較できるものではないが、今回急増した中国軍機の数は、2023年9月に検知された103機を上回るものだった。
アナリストらは、今回の演習は台湾に圧力をかけ、定期的な軍事演習を正常化するという全体的な戦略の一環であると指摘している。
台湾国防部によると、同じ25時間の間に台湾周辺で14隻の軍艦も発見された。その中には、中国の空母「遼寧」も含まれていたという。台湾の接続水域に侵入した軍艦はなかった。
一方でアナリストらは、軍事演習を行う軍用機などが「接近して」きており、「対応時間が非常に短くなる」ため、「極めて危険」だと警戒感を示した。
中国軍は、現地時間14日午前5時に開始した演習は午後6時までに「成功裏に」終了したと発表していた。
しかし台湾国防部から提供された飛行地図によると、中国が軍事演習を終了したと発表した後も台湾周辺で中国軍機が探知された。