通信機器が爆発、9人死亡 中東レバノン
(CNN) 中東のレバノン各地で17日、ポケットベルのような通信機器がほぼ同時に爆発し、当局によれば、少なくとも9人が死亡したほか、約2800人が負傷した。イスラム教シーア派組織ヒズボラはメンバーの一部が負傷したことを確認し、今回の通信機器の爆発についてイスラエルを非難した。
レバノン保健相によれば、死者9人の中には子ども1人が含まれる。けが人のうち少なくとも170人が重体。そのほかの負傷者のけがの度合いは不明。
SNSや報道機関で出回っている動画によれば、さまざまな場所で強力な爆発が起きているところが映っている。ある監視カメラが捉えた映像では、男性がスーパーマーケットで果物を選んでいると、爆発が起き、バッグがぼろぼろになった。周囲の人々は爆発音を聞いて逃げ出し、男性は下腹部を押さえながら床に倒れている。
他のSNSの動画には、少なくとも子ども1人を含む多くの負傷者が映っていた。負傷者は血まみれで、手や顔をけがしていた。
今回の出来事は、ヒズボラとイスラエルとの間の対立が深まるなかで発生し、中東地域の緊張をさらに高めている。レバノンもヒズボラも今回の通信機器の爆発の責任はイスラエルにあるとして非難している。
ヒズボラは17日、「この犯罪的で不誠実な敵は、この罪深い攻撃のために、予想通りの方法と予想外の方法の両方で、間違いなく公平な罰を受けるだろう」と述べ、報復を約束した。
イランの国営メディアによれば、レバノンに駐在するイラン大使と大使館の職員2人も負傷した。
レバノンのミカティ首相は17日の閣議で、今回の攻撃について、「レバノンの主権に対する重大な侵害であり、あらゆる基準からみて犯罪だ」と非難した。国営メディアが伝えた。
通信機器が車内で爆発した車/Hussein Malla/AP
イスラエル軍は今回の通信機器の爆発について、コメントすることはないと述べた。
イスラエル軍は通信機器の爆発後に発表した声明で、イスラエルの民間人に対するアドバイスに変更はないと述べた。イスラエル軍は国民に対し、警戒を続けるよう求め、方針の変更があれば、直ちに更新すると述べた。