ミャンマーの少数民族ロヒンギャ、ドローン攻撃で200人死亡か
AAは「死者が出たのはわれわれの支配する地域ではない」とする声明を出し、関与を否定した。マウンドー付近で国軍を攻撃し、住民には6月から避難を呼び掛けてきたことを認めたうえで、ロヒンギャ避難民を殺害しているのは国軍側だと主張した。
これに対して国軍は国営メディアを通し、「AAのテロリスト」がラカイン州の町や村を重火器とドローンで攻撃したり、村人たちを拷問したりしていると非難した。
ミャンマーでは軍政による通信、立ち入り制限のため、国内の動向を外部から正確に把握することはほぼ不可能だ。
現地の活動家やメディアによると、ナフ川沿いの村では5日以降も攻撃が続き、AAによる住民殺害、性暴力、民家への放火、強制的な徴兵が横行しているという。
米航空宇宙局(NASA)の遠隔探査データは、マウンドーの中心街で6日未明に火災が起きたことを示している。衛星画像でもマウンドーのロヒンギャ居住地区に火災の跡がみられる。
国際医療組織「国境なき医師団(MSF)」は9日、ロヒンギャ難民キャンプのあるバングラデシュ側のコックスバザールで、ミャンマー側から川を渡ったロヒンギャ39人が迫撃砲や銃撃などで負ったけがを、MSFのチームが手当てしたと発表した。負傷者は4割以上が女性や子どもで、船に乗ろうとする人々が攻撃されるのを見たなどと話したという。
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は最新の報告書で、ミャンマー国軍とAAの双方がこの数カ月、ラカイン州でロヒンギャなどの民間人に対する超法規的殺人や放火を繰り返し、「民族浄化」への懸念が強まっていると指摘した。