ギリシャ、同性婚を合法化 キリスト教正教徒の国で初
アテネ(CNN) ギリシャ議会は15日、同性婚を合法とする法律を可決した。キリスト教正教徒が多数を占める国で、全ての人の婚姻の平等が確立されるのは初めて。同国の人権団体にとっては画期的な勝利となる。
合法化の決定は議員300人中176人が賛成。78人は反対した。合法化を巡っては過去数カ月にわたり、政界と一般社会で共に意見が二分。今回の決定を受け、性的少数者の権利を擁護する立場からは歓迎する声が上がっている。
ミツォタキス首相は採決後にXへ投稿し、「人権にとって画期的な出来事」と可決を評価。進歩的で民主的な現在のギリシャを反映しているとの見解を示した。
議会で演説を行うギリシャのミツォタキス首相=15日/Louisa Gouliamaki/Reuters
間もなく創立20年を迎えるギリシャの性的少数者擁護団体を立ち上げたアンドレア・ギルバートさんはCNNの取材に答え、法律の制定により法的な足がかりができたと指摘。「特に若いカップルには重要な意味を持つ」と述べた。
法律では親と子どもの権利に重点が置かれている。合法化により、同性カップルは養子を取ることが可能になり、親としても完全に認められるようになる。
世論調査によると、ギリシャは伝統的な家族の価値観や枠組みが依然として国の中核を占める。他の西側諸国と比べ、性の平等の問題では後れをとり続けているのが実情だ。
メトロン・アナリシスが実施した最近の世論調査では、回答者の62%が同性婚に好意的だったものの、同性カップルが親になることについては69%が反対した。回答者を若年層に絞った調査では、賛成の割合が増えた。
同性婚合法化の法律に対しては、影響力の強いギリシャ正教会がかねて激しい怒りを表明。同教会には人口の8割超が所属している。