ガザ住民の半数以上が南部ラファに密集、生活環境は悪化の一途

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ガザ地区南部ラファで、慈善団体の配給する食料を待つパレスチナの人々/Abed Zagout/Anadolu/Getty Images

ガザ地区南部ラファで、慈善団体の配給する食料を待つパレスチナの人々/Abed Zagout/Anadolu/Getty Images

(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)は27日までに、軍事衝突が依然続くパレスチナ自治区ガザ地区の最新情勢に触れ、ガザの総人口の半分以上が南部のラファ地域に押し寄せ、公衆衛生の悪化や募る空腹感に襲われていると報告した。

ラファ地域に身を寄せている住民は130万人を超えると伝えた。ガザの総人口は200万人超となっている。ラファはエジプトと境界線を接し、検問所もある。

OCHAは居場所を失った数十万人規模の住民がラファや南部ハンユニス市で路上生活を強いられ、食料、飲料水、医薬品や適切な避難場所の確保がほとんどできていないと指摘。水不足は衛生状況のさらなる劣悪につながり、降雨で固形の汚物などが流出する弊害も出ているとした。

OCHAの報告書は、下痢の症状の訴えは約15万8000件に上ったとする世界保健機関(WHO)のデータも引用。ガザの行政当局は、管理できない固形の汚物などの量は約5万トンに達したともみている。

帰るべき自宅を失った住民は65万人を超え、家屋などの損傷がひどいため即座の帰宅が不可能な住民はより多数になると分析。住宅施設の破壊によって生じた残骸は約800万トンにも増え、これを取り除くには3年以上の年月を要するとも推定した。

ガザ行政当局が管理する井戸を通じた水の入手能力は、ガザで交戦が始まった昨年10月7日以前の1日あたりのくみ出し量の約10分の1になっているという。

軍事衝突が勃発する前にガザ全土で97店あったパン屋のうち業務を続けられているのは15店だけで、北部では皆無とも伝えた。

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