ナポリ南部で相次ぐ地震、噴火の予兆の可能性も イタリア

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イタリア南部ナポリ近郊の火山クレーター/Mariano Montella/Pacific Press/Shutterstock

イタリア南部ナポリ近郊の火山クレーター/Mariano Montella/Pacific Press/Shutterstock

ローマ(CNN) イタリア・ナポリ南部の火山地帯で3日、マグニチュード(M)4.0の地震が発生した。国立地球物理学火山学研究所(INGV)によると、9月27日にはこの地域で40年ぶりとなる強い地震が発生していた。

消防によると、3日の地震では建物に多少の損傷が出たものの、人的被害はなかった。9月27日に発生したM4.2の地震は、遠く離れた首都ローマでも揺れを感じた。

地震が起きたフレグレイ平野は3万9000年前にさかのぼる太古の火山が連なる地帯で、イスキア島やカプリ島が浮かぶナポリ湾の200キロの範囲に広がっている。同地では今年に入って地震活動が活発化し、小さな地震が多発していた。フレグレイ平野で発生している地震現象は、地面が周期的に緩慢な隆起を繰り返す「緩慢地動」と呼ばれる。

フレグレイ平野で最後に大噴火が起きたのは1538年で、この時は湾内に新しい山が形成された。フレグレイ平野では今年に入って2868回の地震が観測されており、8月だけでも1118回に上った。

イタリア政府の環境委員会で9月28日に証言したINGV所長は、今後の展開として2つの可能性が考えられると述べ、「最善の場合、1983~84年の時のように、緩慢地動危機が収束する。最悪の場合、1538年のような噴火が起きる」と予想。「どう展開するかは分からず、観測を続けている」とした。

1983~84年の緩慢地動では、地面が3.5メートル隆起した。

INGVはナポリ市に対し、火山地帯に近い地域の住民を避難させ、地面の隆起による建物の構造的被害を検証するよう要請した。問題の建物のほとんどは、過去20年の間に建設されていた。

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