不明潜水艇、設計資料の一部には「既に危険信号」 専門家

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オーシャンゲートの潜水艇「タイタン」はタイタニックの残骸に向けて潜航中に圧壊した/OceanGate/AFP/Getty Images/File

オーシャンゲートの潜水艇「タイタン」はタイタニックの残骸に向けて潜航中に圧壊した/OceanGate/AFP/Getty Images/File

(CNN) 沈没した豪華客船タイタニック号の残骸を見学するツアーに向かっていた潜水艇「タイタン」が圧壊した事故を受け、CNNは潜水艇の運航会社、オーシャンゲートの宣伝素材やストックトン・ラッシュ最高経営責任者(CEO)による公式声明、裁判記録を再検証した。その結果、同社が安全対策を確実に実施すると売り込みながら、業界での基準の導入を拒んでいた実態が浮かび上がった。基準に従っていれば、同社の運航や潜水艇に対してより精度の高い調査が課されるはずだったとみられる。

同社はまた、信用のある機関との提携を喧伝(けんでん)していたが、実際のところそうした機関は問題の潜水艇に関するオーシャンゲートとの提携を否定している。

業界の専門家の一部からは、オーシャンゲートの運航について、リスクがあることで知られているとの声も上がっている。

米デューク大学で生物医学工学を専攻するレイチェル・ランス氏は22日、CNNの取材に対し、「ここは元々、潜水艇の設計について周知されている大半のことを受け付けない会社だった」と指摘。オーシャンゲートの設計資料の一部からは、「既に重大な危険信号が発せられており、この業界で働いた経験を持つ人々にはそれが伝わっていた」と述べた。同氏は水中で生存する際の生理的要求について研究した実績を持つ。

オーシャンゲートは自社の安全記録に関するコメントを控えた。

同社は一般向けのマーケティングで、潜在的な顧客の冒険心に訴えかけるのと同時に、そうした冒険が安全なものだと納得させようともしている。そこでは科学者や冒険家らが同社の技術革新を称賛しているという内容が紹介される。

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