ロシアの「キンジャル」をパトリオットで破壊、ウクライナ軍指揮官が振り返る

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ウクライナの防空部隊によって撃墜された「キンジャル」の破片=12日/Valentyn Ogirenko/Reuters

ウクライナの防空部隊によって撃墜された「キンジャル」の破片=12日/Valentyn Ogirenko/Reuters

(CNN) ウクライナ軍がロシアの最新鋭弾道ミサイル「キンジャル」を米国製防空システム「パトリオット」で撃墜した時の様子について、防空部隊の指揮官が15日のインタビューで詳しく振り返った。

ウクライナによれば、防衛部隊は先月16日、ロシアのキンジャル6発の迎撃に成功した。

この時の防衛では、セルヒイ・ヤレメンコ指揮官と配下の第96対空ミサイル旅団が中心的な役割を担った。ただ、キンジャルを撃破したことは後になるまで分からなかったという。

ヤレメンコ氏はウクライナ国防省のウェブサイトに「正直なところ、キンジャルを撃墜したのに気付いたのは、専門の分析官が残骸を調査した後だった」と語った。

ロシアが攻撃を開始すると「弾道ミサイル16発が様々な方向から飛んできた。その大半はパトリオットに狙いを定めていた」と、ヤレメンコ氏は振り返る。

「部下のことは常に誇りに思っているが、この時はそんな私でさえ彼らの粘り強さに驚かされた。彼らは弾道ミサイルが自分たちに向かってきていることを分かっていた」

「彼らは1秒たりともパニックに陥らず、協調的かつ組織的に対応した。部門間で目標の情報を共有し、最小限の距離、そしてインフラに被害が及ぶ可能性を減らすのに十分な高度で確実に破壊できるようにした」(ヤレメンコ氏)

最終的に全ての目標が破壊され、空域の安全が確認されると、兵士らは感情が高ぶった様子だったという。攻撃にキンジャル6発が使われていたことは後から知った。

プーチン大統領やロシア軍はキンジャルについて、ロシアのミサイル兵器近代化の一例だとうたい、極超音速のスピードにより迎撃が極めて困難になると主張している。空中発射型弾道ミサイルであるキンジャルの射程は約2000キロに上り、戦場のはるか遠くから発射することができる。

キンジャルは地上発射型弾道ミサイル「イスカンデル」の派生型で、スピードは音速の約10倍。500キロ近い弾頭を搭載できる。

先月16日の攻撃を巡っては、ロシア国防省はウクライナ首都キーウにあるパトリオット1基を破壊したと主張。一方、ウクライナはロシアのミサイルを全て破壊したとしている。

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