ウクライナ軍、米国製装甲車両16両失う 諜報分析

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ウクライナ軍は直近の数日間で、米国から供与された歩兵戦闘車「ブラッドレー」16両を失った/Artur Widak/NurPhoto/Getty Images/File

ウクライナ軍は直近の数日間で、米国から供与された歩兵戦闘車「ブラッドレー」16両を失った/Artur Widak/NurPhoto/Getty Images/File

(CNN) ウクライナ軍はここ数日で、米国から供与された装甲車両16両を失った。オープンソースの諜報(ちょうほう)分析が明らかにした。一方ウクライナ軍は、自軍の部隊が東部ドネツク州で3つの村落をロシアから奪取したと発表している。

米国製の歩兵戦闘車「ブラッドレー」16両が、直近の数日間で破壊、損傷、放棄されたという。これは米国政府がウクライナ政府に供与した109両の15%近くに相当する。オープンソースのインテリジェンスサイト「オリックス」のヤクブ・ヤノフスキ氏が述べた。同サイトはロシアによる侵攻が始まった昨年2月24日以降、ウクライナでの軍装備損失の視覚的証拠を収集している。

車輪ではなく無限軌道で走行するブラッドレーは、乗員数が10人程度。兵員の戦地への輸送や支援射撃に使用される。

供与の第1弾として、60両以上のブラッドレーが1月下旬にウクライナへ引き渡されていた。米陸軍第841輸送大隊の司令官を務めるレベッカ・ダンジェロ中佐は、同車両がウクライナ軍の攻勢にとって重要になるとの見方を示した。

しかし退役将校でCNNの軍事アナリストのジェームズ・スパイダー・マークス氏は当時、ブラッドレーについて、他の戦力との適切な組み合わせが必要になるだろうと指摘。具体的には航空支援、長距離砲撃、鋭敏な諜報に言及した。

航空支援はウクライナ軍に欠如している領域だが、今後はF16戦闘機が西側の同盟国から供与されることが見込まれる。

ブラッドレーの損失については、必ずしもウクライナにとっての問題の前兆になるとは限らないと専門家らはみている。防衛産業アナリストのニコラス・ドラモンド氏は、「前線の大きさ、戦闘の激しさを考慮すれば、そのような損失は想定できた」と分析。ウクライナ軍は主要な戦線の4カ所で攻勢をかけ、ロシア軍に予備戦力を投じさせようとしていると述べた。これは必要な手法だが、犠牲も大きいという。ドラモンド氏は元英陸軍将校で、地上戦の専門家。

ドラモンド氏によれば、当該のブラッドレーは壊滅的な損傷を被っておらず、乗員も脱出したとみられる。オリックスのヤノフスキ氏は、これらの車両は単に損傷して放棄されただけであり、ウクライナが戦域を奪えば回収・修理する可能性はあると述べた。

オリックスによると、ウクライナ軍が今回の戦争で失った装備は約3600なのに対し、ロシア側の損失は1万600を超えている。

ブラッドレーは失ったものの、ウクライナは週末にかけての戦闘で少なくとも3つの村落をロシア軍から奪還したと報告した。

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