制裁解除なければ穀物輸出合意の延長なし ロシア
(CNN) 黒海のウクライナの港からのウクライナ産穀物の輸出延長に関する合意について、ロシア外務省は18日、特定の制裁解除という要求を西側諸国が満たさなければ合意は延長されないと警告した。
世界の飢餓を解決するために重要と位置付けられている輸出合意について、ロシアは7月17日まで2カ月間延長することに同意した。
合意によってウクライナは穀物を黒海の港から輸出できる一方で、ロシアの輸出は西側諸国の制裁によって妨げられているとロシアはたびたび不満を示してきた。ロシア大統領府は、ロシアからの輸出促進を支援する国連との合意は成果を生んでいないと主張している。
ロシア外務省は譲歩がない限り合意延長の協議はないと警告。同省の声明には「ロシア産の肥料や食料に対する一方的な制裁を実際に解除する必要性を米国、英国、欧州連合(EU)に喚起する。最貧国へのロシア産肥料の寄付すら制裁のために阻止され続けている」とある。
穀物に関する輸出取引はロシアによる戦争に端を発する。ウクライナへの本格侵攻後、ロシアは黒海にあるオデーサ、チョルノモルスク、ピブデンニといったウクライナの主要な港からの輸出を封鎖した。
国連とトルコが仲介するまで、何百万トンというウクライナ産の穀物はロシアの封鎖によって必要とする国々に届けられずにいた。
ウクライナのボドナール駐トルコ大使は「現在の合意延長はロシアの外需を満たすことを考慮しているものではない」と指摘。さらに「ロシアが取り付けようとしているのは、アンモニアの補給ルート、そして穀物や肥料の取引に関係している銀行や組織に対する制裁の解除に関連したものだ。この問題はまだ協議中だ」と述べた。