ウクライナ、西側兵器の訓練急ぐ ロシアの進攻に備え

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ウクライナ軍が訓練、ロシアの大規模攻勢に備える

ウクライナ・プリピャチ(CNN) ベラルーシとの国境から数キロメートル先では、想定される過酷な春に備えてウクライナ軍が訓練中だ。

兵士の年齢より倍近く古い老朽化したT72型戦車が霧に向かって砲弾を発射する中、地上部隊は廃墟(はいきょ)への突入訓練を行っている。訓練の一部が行われているプリピャチは、1986年のチョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所の事故以来すっかりさびれ、不気味なほど静まり返っている。

部隊がペースを上げていく中、セルヒー・ナエフ中将は、重機関銃や対空砲を積んだ10台余りのピックアップトラックを受け取った。ウクライナ軍が、ウクライナの電力網に大きな損害を与えているイラン製ドローン「シャヘド」を撃墜できるようにというクラウドファンディングの支援によるものだ。

がっしりした体格で人当たりの良いナエフ中将は、戦争の次の段階は戦車が主役になると考えている。戦車と言っても旧式のT72型ではなく、ドイツ製の「レオパルト2」や英国製の「チャレンジャー」といった、もっと近代的な戦車だ。ウクライナ当局者は、主力戦車が数百両必要だと言う。現在の陣地を防衛するだけでなく、この先数カ月で敵に戦いを仕掛けるためだ。

ナエフ中将は「もちろん我々には西側の戦車が大量に必要だ。旧ソ連製よりもはるかに性能が良く、進軍にも役に立つ。我々は新たに部隊を立ち上げているところだ。我々の今後の動きは、向こうの戦闘即応性にかかってくるだろう。だからこそ西側の支援が極めて重要だ」と述べた。

ウクライナが要請する兵器の筆頭がレオパルト2だ。操縦もメンテナンスも比較的容易で、多くの北大西洋条約機構(NATO)加盟国でも使用されている。ウクライナの軍指導部も政府高官も、20日にラムシュタインで行われたウクライナ支援国の会合でレオパルトの供与に許可が出るかと期待していたものの、ドイツは許可を出さなかった。

ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相は会合後、ドイツのボリス・ピストリウス国防相と「レオパルト2について率直な話し合いをした。今後も継続していく」と述べた。

ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府長官顧問は20日、CNNに、「残念だ。国によっては阻害要因があるのも理解している。だが先延ばしになればなるほど、我が国の兵士や民間人がどんどん殺されていく」と語った。

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