ウクライナ、西側兵器の訓練急ぐ ロシアの進攻に備え

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訓練に参加したT72型戦車/Matthias Somm/CNN

訓練に参加したT72型戦車/Matthias Somm/CNN

ポドリャク氏はこうも主張する。「実際のところ、こうした戦車が300~400両あれば、旧ソ連時代の戦車2000~3000両に打ち勝てる。戦況も急激に加速して終盤に向かっていくだろう」

「今回ドイツがリーダーシップを取っていたら、大きな意味があっただろう」(ポドリャク氏)

一方、ウクライナ当局者によれば、既存の旧式戦車の予備部品が不足しつつあり、旧ソ連の国からかき集めても足りないという。

ウクライナ側は、2カ月以内にロシアが再び攻勢をかける可能性を恐れている。春になるころには昨秋に徴集されたロシア兵15万人が訓練を終え、おそらく臨戦態勢の部隊に送り込まれるだろう。ウクライナ側にしてみれば時間との戦いだ。基本的にウクライナは、ソ連製の兵器を基盤にした軍隊から脱却し、最先端の西側兵器を使用する軍隊への転換を猛スピードで急いでいる。

米国の主力戦車「M1エイブラムス」は強力だが、扱いが難しく、ウクライナに供与されることはないだろう。米国防総省のコリン・カール次官(政策担当)はM1について、「高価だ。訓練も困難だ。ジェットエンジンを搭載している」と述べた。

専門家も、ドイツ製戦車は戦争の流れを大きく変えうる存在だと考えている。英シンクタンクの王立防衛安全保障研究所(RUSI)で地上戦を専門とするジャック・ワトリング上級研究員も、「レオパルト2は優れたセンサーを搭載した、防御能力も高い近代的な主力戦車だ」とCNNに語った。

「もともとは徴集兵でも扱えるように設計されているため、チャレンジャー2をはじめとするNATO加盟国が設計した他の戦車よりも、戦闘では扱いやすい。現在も製造されているので、予備部品の供給も可能だ」(ワトリング氏)

他にも兵器が続々と投入されている。米国は装甲車「ストライカー」と歩兵戦闘車「ブラッドレー」の供与を決めた。フィンランドからは榴弾(りゅうだん)砲が、スウェーデンからは自走榴弾(りゅうだん)砲「アーチャー」と対戦車砲が供与される。

ウクライナ軍は部隊に最新兵器の訓練を受けさせ、既存の編成に組み込んでいかなくてはならない。

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