ウクライナ侵攻のロシア軍、レイプを「戦争の道具」に 人権団体が主張

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祖母と写真に収まるカリナ・エルショバさん(右)。撮影日は不明/Courtesy Andrii Dereko

祖母と写真に収まるカリナ・エルショバさん(右)。撮影日は不明/Courtesy Andrii Dereko

ウクライナ当局は、ロシア軍が侵攻開始以降、女性や子ども、男性に性的虐待を加えていると指摘。レイプなどの性的暴行を戦争の武器として活用しているとの見方を示す。

CNNが取材した人権団体やウクライナの心理学者らは、増え続ける性的虐待の被害者の対応に一日中追われていると証言する。そうした虐待にはロシア兵が関与しているとみられる。

欧州安保協力機構(OSCE)は今月13日に公表した報告書で、ロシア軍によるウクライナでの国際人道法違反を複数取り上げている。そこには紛争に関連した性別に基づく暴力としてレイプ、性的暴行、セクハラを示唆する事例が報じられている。

「ロシア兵らは、できることは何でもして自分たちの優位を見せつけようとする。この場合、レイプも一つの手段となる」。心理学者のバシリサ・レフチェンコ氏はそう指摘する。同氏は戦争に関連してトラウマ(心的外傷)を負ったウクライナ人に対し、無償のカウンセリングを提供するサービスを立ち上げている。

レフチェンコ氏のネットワーク、「サイ・フォー・ピース」はこれまで、キーウ州の女性約50人から話を聞いた。彼女らはロシア兵から性的虐待を受けたと訴えている。中には15歳の少女とその母親が親ロシア派のチェチェン人兵士から性的に虐待されたり、1人の女性が兵士7人から集団レイプされる事例もあった。拘束されたウクライナ人らは、その様子を見るよう強制されたという。

CNNは、こうした説明を独自に立証できていない。

レフチェンコ氏によれば、ウクライナ人を侮辱するための武器としてのレイプは、直接被害に遭った本人以外にも広範な影響を及ぼす。「その場にいた人々も、何もできなかったことに罪悪感を覚える。目の前で人が死ぬのを見て、生き残ったことに罪の意識を感じる」

ロシアは戦争開始以降、民間人を標的にはしていないと再三にわたり主張する。しかしその内容に反する数多くの攻撃が、これまでCNNをはじめとする複数のメディアにより報じられている。CNNはロシア国防省にコメントを求めている。

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