オーストリア首相がプーチン氏と直接会談、「友好的な訪問でない」

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オーストリアのネハンマー首相/Dragan Tatic

オーストリアのネハンマー首相/Dragan Tatic

ベルリン(CNN) オーストリアのネハンマー首相は11日、ロシアのプーチン大統領とモスクワ郊外で会談し、ウクライナでのロシアによる残虐行為に言及したと明らかにした。2月のウクライナ侵攻開始以降、西側の首脳がプーチン氏と直接会談するのは初めて。会談は厳しく非友好的なものだったとしている。

ネハンマー氏はオーストリア首相府が発表した会談後の声明で「これは友好的な訪問ではない。私はウクライナから戻ったばかりで、ロシアの侵略戦争による計り知れない被害を目にしてきた」と述べた。

同氏のロシア訪問の是非は欧州の指導者の間で意見が分かれ、プーチン氏に関与すること自体に懐疑的な見方も存在した。

ネハンマー氏の報道官によると、両首脳はモスクワ郊外ノボオガリョボの大統領公邸で75分間会談した。ネハンマー氏は「非常に直接的で、開かれた、厳しい」会談だったとしている。

同氏は訪ロ前にはウクライナ首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談し、非武装の市民の遺体が通りに散乱したブチャも訪れている。

ネハンマー氏は「ブチャなどでの重大な戦争犯罪に言及し、これに責任を負う者全員が責任を問われるべきだと強調した」と述べ、さらに「プーチン大統領に対し、ウクライナでの犠牲者が続く限り対ロ制裁が続き、さらに強まっていくと明確に伝えた」とも語った。

ネハンマー氏によると、プーチン氏はブチャでの犯罪の責任はウクライナ人にあると述べたという。だが、映像にはロシア軍が市民を射殺した様子が映っている。

オーストリアは軍事的には中立な立場だが、ウクライナ侵攻に対するロシア批判では欧州諸国と足並みをそろえている。

ネハンマー氏はまた、ロシア軍の攻撃でウクライナ各地で避難できない状況が続いていることを受け、避難回廊の問題も取り上げたと言及。包囲された都市への水や食料の供給、女性や子ども、負傷者が脱出する人道回廊設置の必要性を説いたと述べた。

会談後、ネハンマー氏は「特に楽観的」な状態ではなく、「(ウクライナ)での攻撃が断固として準備されている」と述べた。重要なのは対面での会談であり、「たがいに目を見て話して、戦争の悲惨さを話す必要がある」と語った。

ネハンマー氏はまた、プーチン氏がトルコで続くロシアとウクライナの協議に「自信を持っているのが明確に認識できた」とも述べた。

オーストリア当局者はCNNに対して、ネハンマー氏がゼレンスキー氏に会談の用意があるとプーチン氏に伝えたところ、返答はなかったと明らかにした。プーチン氏はトルコでの交渉の継続の方により関心がある様子だったという。

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