自爆する「神風ドローン」、ロシアとウクライナ双方が投入
(CNN) ミサイル攻撃や砲撃の音が響くウクライナの戦場に、「徘徊(はいかい)型兵器」あるいは「神風ドローン」と呼ばれる兵器が新たに登場した。ロシア軍がウクライナ軍の戦線の背後を攻撃する目的で投入したものだが、ウクライナ側も同様の兵器で反撃している。
退役米軍大佐のセドリック・レイトン氏は「この兵器の恐ろしい面は、戦場に重大な心理的ファクターをもたらすことだ」と語る。
大型の軍用ドローンが時速数百キロで長距離を飛行し、ミサイル発射後は帰投することが多いのに対し、徘徊型弾薬ドローンは小型で速度が遅く、使い捨てだ。
たとえば「スイッチブレード300」は重さ6ポンド(約2.7キロ)以下で、リュックサックに入れて運搬できる。迅速かつ簡単に発射することが可能で、時速約60マイル(約96キロ)で15分間巡航する間、搭載カメラと全地球測位システム(GPS)が付近の敵を捜索する。
攻撃目標が見つかり指令が与えられると、時速100マイルに加速して急降下、衝突と同時に爆発する。
ただ、激しい戦闘が続く中、同じくこうした兵器を保有するウクライナ軍も反撃し、ロシア側をはるかに上回る効果を上げているという。
アナリストによると、神風ドローンは少人数で素早く動くことを好むウクライナ軍にとって最適な兵器となる。探知は困難で、遠く離れた敵の陣地にも侵入できる。
サイズや速度、能力が異なる複数のシステムが使用されているとみられる。米国はウクライナを支援するため、こうしたスイッチブレードを100機供与すると約束している。