ANALYSIS

南シナ海に群がる「海上民兵」、中国政府は存在すら認めず<上>

比軍によって提供された写真。中国船がウィットサン礁に停泊している=3月27日/National Task Force-West Philippine Sea/AP

比軍によって提供された写真。中国船がウィットサン礁に停泊している=3月27日/National Task Force-West Philippine Sea/AP

戦術的観点からすると、漁船は数百個の障害物が並んでいる形となり、米海軍のような敵は迂回(うかい)を余儀なくされる可能性がある。これに対抗するために米海軍が一度に派遣できる駆逐艦は数隻にとどまる公算が大きい。

つまり、数の上では中国が断然有利となる。

ジョンズ・ホプキンス大学のシュシアン・ルオ氏とコロンビア大学のジョナサン・パンター氏は今年、米陸軍のミリタリー・レビュー誌で、「漁船は低コストなため、常に数で軍艦を上回ることになる」と述べた。

従って、海上民兵の指揮下に入れば、非武装の本当の漁船でさえ実質的に軍隊として機能しうる。

戦略的観点からは、両氏は「こうした船舶に対抗するのは危険だ」と指摘する。とりわけ、南シナ海で領有権を主張するものの、中国に立ち向かう軍事力を持たない東南アジア諸国にとっては危険性が高い。

「相対的に弱い国家の場合、中国漁船が政府とつながっている可能性を意識して、中国中央政府の反応を誘発しかねない行動に出るのを躊躇(ちゅうちょ)するかもしれない」(両氏)

中国はこれらの漁船は軍艦ではないとしているため、外国の海軍や沿岸警備隊が行動に出た場合、中国の民間人に対する攻撃に当たると主張することも可能だ。

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