オーストラリア南東部、「100年に1度」の豪雨被害 自然災害を宣言

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オーストラリア南東部で豪雨被害

(CNN) オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ(NSW)州が豪雨による洪水に見舞われ、沿岸部を中心に数千人が避難を強いられている。州当局は21日の記者会見で、沿岸部の一帯に自然災害を宣言したと発表した。

同地は18日から豪雨が続き、20日にはダムが氾濫(はんらん)して河川の増水や鉄砲水が発生した。

NSW州政府と連邦政府は、同州中部シドニー近郊のハンターバレーから北部のコフスハーバーにかけての沿岸部一帯に自然災害を宣言した。

同州緊急サービス局は、現在のところ死者の報告は入っていないものの、「死者が避けられない事態にどんどん近づいている」と危機感を募らせる。

一部の世帯は河川の水位が危険なレベルに達したために、真夜中に避難を強いられた。21日にはホークスベリー地域を中心に、さらに4000人の避難が必要になる可能性もある。

NSW州のグラディス・ベレジクリアン首相は「1960年代以来、目の当たりにしたことのない状況」だと述べ、特に大きな被害が出ている地域は100年に1度の事態、ホークスベリー地域は50年に1度の事態に見舞われていると指摘した。

特に大きな被害が出ている中北部タリー近郊に家を借りていたジョシュア・エッジさんと婚約者のサラ・ソアーズさんは、結婚式を挙げるはずだった20日、洪水のために住む家をなくし、ペットや所持品などすべてを失ったという。エッジさんの家族がクラウドファンディングサイトを通じて支援を募っている。

冠水した道路を移動する住民を助ける救急隊員=20日、オーストラリア・シドニー西部/Saeed Khan/AFP/Getty Images
冠水した道路を移動する住民を助ける救急隊員=20日、オーストラリア・シドニー西部/Saeed Khan/AFP/Getty Images

州緊急サービス局は18日以来、救助要請の通報7000件以上に対応し、洪水からの救出活動を750回以上実施した。現場では今も数千人の救助隊やボランティアが、取り残された住民の救出活動を行っている。

現場を撮影した写真には、住宅や庭が水につかり、道路は冠水してひざまである深さの水に覆われた様子が写っている。タリーでは濁流にのみ込まれそうになる牛1頭を住民が救出。CNN提携局のセブンニュースによると、その近くでは住宅1棟が丸ごと激流に押し流された。

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