ココナツ酒でメタノール中毒か、11人死亡 フィリピン

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ココナツからつくられる伝統的な蒸留酒を飲んだ11人が死亡した/Jay Directo/AFP/Getty Images

ココナツからつくられる伝統的な蒸留酒を飲んだ11人が死亡した/Jay Directo/AFP/Getty Images

(CNN) フィリピンの国営通信によると、同国北部ルソン島でココナツからつくられる伝統的な蒸留酒「ランバノグ」を飲んだ住民らがメチルアルコール(メタノール)中毒とみられる症状を訴え、少なくとも11人が死亡、数百人が病院で手当てを受けている。

地元メディアはルソン島のラグナ、ケソン両州で計300人がランバノグを飲んだ後、腹痛、めまい、おう吐などの症状で入院したと伝えた。保健省は24日、ラグナ州の町リサルだけで265人が病院へ運ばれたと発表した。

ランバノグはココナツを発酵させ、さらに蒸留した強い酒で、アルコール度数は40~45度。フィリピンではクリスマスの時期によく飲まれる。

同国の食品医薬品当局によると、問題のランバノグを調べたところ、人体に有害なメタノールが高濃度で検出された。

デュケ保健長官によると、メタノールは通常、蒸留の過程で抽出されるため、分離して捨てることになっている。毒性が強く、失明や死を招くことが知られている。

病院で治療を待つ人々=23日、マニラ/Ted Aljibe/AFP/Getty Images
病院で治療を待つ人々=23日、マニラ/Ted Aljibe/AFP/Getty Images

当局の認可を受けていた蒸留所のオーナーが23日、警察に出頭した。現地のCNNフィリピンは警察責任者の話として、オーナーは殺人や傷害の罪に問われる可能性があると伝えている。

ラグナ州ではランバノグの販売が停止され、リサルの町は23日に非常事態を宣言した。

同国では昨年12月にも、ランバノグを飲んで少なくとも20人が死亡した。食品医薬品当局によると、今回の原因とみられるのは昨年とは違うブランドのランバノグだという。

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