英政権、「合意なき離脱」のシナリオ公開 薬品不足に食品高騰も

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英政府が「合意なき離脱」で起こり得る事態をまとめた文書を公開した/Tolga Akmen/AFP/Getty Images

英政府が「合意なき離脱」で起こり得る事態をまとめた文書を公開した/Tolga Akmen/AFP/Getty Images

ロンドン(CNN) ジョンソン英政権は12日までに、欧州連合(EU)から合意なしで離脱した場合のシナリオをまとめた文書を公開した。医薬品欠乏や英仏海峡の物流の遅れ、食品価格高騰に警鐘を鳴らす内容となっている。

文書は「合理的な最悪のシナリオ」を記したもの。議会では9日、この文書の公開を承認するよう政府に求める案が可決されていた。

あわせて議会閉会に関する政権内部の通信記録の公開を求める案も可決されたが、これについては「合意なき離脱」の準備を担当するゴーブ国務相が公表しない方針を示した。

公開された文書では、英仏海峡の物流の混乱が最大3カ月続く可能性があると指摘。「合意なき離脱」になれば1日目から通関手続きが導入され、重量積載物車両のうち最大85%の対応が間に合わない可能性があると予測した。

その場合、医薬品の供給に支障が出ると警告し、「医薬品や医療製品のサプライチェーン(供給網)は英仏海峡の物流に依存しており、深刻な遅れが長引けば特に影響を受けやすい」としている。

また、一部の生鮮食品の供給が減るほか、食品のサプライチェーンに不可欠な材料や化学物質なども不足する可能性があるという。

文書ではこの2つの要因が組み合わさった結果、食品の入手のしやすさや選択肢の減少、価格上昇につながり、弱い立場の人に影響が及ぶ可能性があると説明。さらに「パニック買いにより食品サプライチェーンの混乱に拍車がかかるリスクがある」とも指摘した。

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