スクールバス乗っ取り、生徒の機転で阻止 イタリア市民権付与へ

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イタリアでスクールバスを乗っ取って放火する事件があった/FLAVIO LO SCALZO/AFP/Getty Images

イタリアでスクールバスを乗っ取って放火する事件があった/FLAVIO LO SCALZO/AFP/Getty Images

(CNN) イタリア北部のクレマで、子ども51人の乗ったスクールバスを運転手が乗っ取って放火する事件があった。しかし1人の生徒が機転をきかせて通報したおかげで、子どもたちは全員無事だった。

同市や警察によると、エジプト出身のラミー・シェハタ君(13)はアラビア語で祈りをささげるふりをして父親に事態を知らせ、父親が警察に通報した。シェハタ君はドア越しに道路標識を見て、バスの所在地を正確に伝えていたという。内務省は、シェハタ君が早く市民権を獲得できるよう取り計らい、費用も負担すると表明した。

スクールバスには11~13歳の児童や生徒が乗っていたが、駆けつけた警察が窓ガラスを破って脱出させ、けが人はなかった。

運転手はセネガル出身でイタリア国籍をもつ47歳の男で、殺人未遂や放火などの容疑で警察に逮捕された。

警察によると、スクールバスは20日、体育の授業に出席した子どもたちを乗せて学校へ戻るはずだった。ところが運転手は学校へは向かわず、ミラノのミラノ・リナーテ空港へ向かったという。

運転手は車内にガソリンをまいて爆発させると脅し、子どもたち全員に携帯電話を出すよう要求。しかし1人だけは「携帯電話はもっていない」とうそをつき、隠れて通報の電話をかけていた。

運転手は車内にいた教員に命じて生徒たちを縛らせた。数人の教員が運転手の説得を試みる間、別の教員が窓ガラスを割って子どもたちを脱出させようとしたところ、運転手が放火したという。

運転手は「全員死ね」「地中海で死んだ者たちの報復だ」と叫んだとされる。欧州を目指して地中海を渡る途中に命を落とした難民や移民に言及したと思われる。内務省はこの男の市民権を剥奪(はくだつ)する意向。

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