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窃盗団が盗んだ時価4億の名画、警察が仕掛けた偽物だった イタリア

盗まれた作品は、警察がおとり捜査のために展示していた偽物だった

盗まれた作品は、警察がおとり捜査のために展示していた偽物だった/church of Santa Maria Maddalena

イタリア北部リグーリア州の教会で、17世紀の巨匠が描いた時価340万ドル(約3億8000万円)相当の絵画が盗まれるという事件があった。しかし実はこの作品、警察がおとり捜査のために展示していた偽物だった。

展示されていたのはフランドル(現在のベルギー)の画家ピーテル・ブリューゲル2世が描いた「十字架」という作品で、20世紀初めにこの教会に寄贈された。

地元メディアの報道によると、警察はこの絵画を盗み出そうとする計画があることを突き止め、1カ月ほど前に、本物と偽物を入れ替えていた。

本物は安全な場所に保管し、偽物を展示して、警察が監視カメラで教会を見張っていた。

13日に教会に押し入った窃盗団は、展示ケースをハンマーで破って絵画を持ち去り、車で逃走した。盗んだ作品が偽物だったことには気づいていない様子だった。

警察から作戦のことを知らされていたダニエレ・モンテベロ市長も口裏を合わせ、事件後ANSA通信の取材に対し、「計り知れないほどの価値がある作品だった。われわれの地域社会にとって大きな打撃だ」と語ってみせた。

市長の広報がCNNに語ったところでは、容疑者はまだ逮捕されていないものの、警察が足取りを追っているという。

ブリューゲル2世はルネサンス期の画家ブリューゲル1世の息子で、父の作品の模倣作や独自の作品の制作で知られる。教会にはこの作品を見るために多数の観光客が訪れるという。

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