がれきと化したISIS「首都」、CNN取材班が現地リポート
シリア・ラッカ(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が「首都」と称していたシリア北部の都市ラッカをめぐり、米軍の支援を受けるクルド人主体の部隊「シリア民主軍(SDF)」が数日以内の完全解放を見込むなか、CNN取材班は19日、ラッカに戻り、変わり果てた市街を歩いた。
ラッカはISISに対する国際部隊の戦闘で最も激しい爆撃を受けた地域の一つ。市内の住宅や学校は、コンクリートのがれきの山や、黒焦げになり空洞化した建物に取って代わられていた。車を数キロ走らせても、色彩のまったくない風景が延々と続く。
目抜き通りに沿った建物で完全に無傷なものは一つもない。ISISが残していった地雷や仕掛け爆弾などの除去作業に処理チームが当たるなか、わき道や野原は立ち入り不可能となっている。
いかにしてラッカが再建され得るのか、想像するのは難しい。誰が資金を出すのか現時点では誰にも分からない。誰がこの街を管轄するのかすら不明だ。
クルド人部隊の女性司令官はCNNに、地上と地下の両方で作戦が継続中だと明かした。ISISは複雑な地下トンネル網を利用していた。戦闘員の一部は依然としてそこに潜んでいるとみられるという。
クルド人戦闘員の女性の一部からは、ラッカの再建が最優先事項となるだろうが、ISISなどの組織が2度と戻って来ないよう社会構造を再構築するのが一層難しい課題になるとの声も聞かれた。
非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」は、大半の家族は戻るべき場所がほとんど無いか皆無なため、今後数カ月あるいは数年にわたり劣悪な環境のキャンプにとどまることになりそうだとの見通しを示している。