ISIS、イラクとシリアで化学兵器を使用 現地調査団報告
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)がイラクとシリアでクルド人部隊や民間人に対して化学兵器を使用したとする報告を、英国を拠点とする独立系調査機関がまとめた。
ISISはこれまでにも自爆テロや自家製爆弾に塩素などの化学物質を使ったと伝えられており、新しい化学兵器の開発を模索している可能性もある。
民間調査機関の紛争兵器研究所(CAR)とサハン研究所は先月、ISISが3回にわたって化学兵器を使用したという報告を受け、調査団を現地に派遣した。
このうち2回はISISとクルド人部隊が激しい戦闘を展開したシリア北部で、残る1回はイラク北部モスルのダム付近にあるクルド人の拠点近くに着弾した不発弾に、それぞれ化学兵器が使われたとされる。
CARの代表によると、モスルダムの調査団は攻撃の1週間後に現地入りした。その時点でもまだ、砲弾から漏れ出た濃い黄色の液体が強烈な異臭を放っていて、近付いた調査員は頭痛や吐き気などの症状を訴えた。これは塩素系薬品の中毒症状と一致するという。
クルド自治政府は19日、CNNの取材に対し、砲弾などを詳しく調べれば塩素が使われたことが確認できるはずだと語った。ISISはほかにも数回にわたってクルド人部隊に対して塩素系物質を使用したと当局者は話している。