北朝鮮、取材「志願者」が人権状況を擁護

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CNNの取材に応じる「志願者」たち

(CNN) おそらく世界で最も孤立した国家、北朝鮮を5月に取材してから数週間後、CNN取材班は再び平壌入りする機会を得た。このときに出会ったのは、批判が多い北朝鮮の人権状況を擁護しようとする人々だった。

いつも通り、撮影許可などについての事前情報は平壌に到着するまで得られなかった。

初日の朝に案内されたのは、前回と同じ高麗ホテルの会議室。取材班が5月、2013年に中国とラオスの国境付近で身柄を拘束された若者らと対面したのと同じ部屋だ。若者たちは当時、北朝鮮を脱出して韓国に向かうところだった。

北朝鮮は裏切り者とされる脱北者に対して容赦ないため、帰国した若者らの身の安全については、世界中から懸念の声が上がった。だが、彼らが取材班に語ったのは、平壌市内で最高水準の教育を受けるなど特別待遇を受けているとの内容だった。彼らは北朝鮮の「博愛と寛容」を世界に宣伝するシンボルなのだ。

同じ場所で、またしても北朝鮮の「普通の」人々が待っていた。取材班に同行した政府の世話役によれば、彼らは皆、北朝鮮の人権状況に対する「不当な批判」に対し祖国を弁護するため、志願してこの場に来たのだという。

彼らが本当に自分から志願したのかについては確認しようがない。ただ、北朝鮮は自国の人権状況に関する見解を世界に発信することを熱望しているとみられ、国民を「恐怖に陥れている」とする国連の報告書の内容を激しく否定している。

報告書の中で国連調査委員会が下した結論は、100人以上の被害者や専門家らの証言を聴取して導き出したものだ。衛星写真なども検証した上で、拷問など「現代世界に他に例をみない」広範な人権侵害の実態について列挙している。

北朝鮮は調査への参加を拒否。代わりに、同国が「世界で最も優れた人権システム」を擁しているとする長大な報告書を発表した。その上で人権問題について、米国が内政干渉するための策略に過ぎないと主張している。

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