悪名高い「労働教養制度」、改革は本当に進むのか 中国

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収容遣送制度の廃止は、胡錦濤(フーチンタオ)国家主席と温家宝(ウェンチアパオ)首相が率いる当時の新指導部が決定したため、改革へ向かうサインとも受け取られた。しかし、他の地域からの移住者は解放されたものの、恣意的な拘禁制度が全面的には廃止されなかったため同制度廃止の影響は限定的であった。

例えば、地方政府の役人の不正を上級組織に訴えようとする請願者たちは、地方政府が違法に設置した「黒監獄」に収容遣送所に代わって収容されるようになった。中央政府も、黒監獄の存在を黙認しており、恣意的拘禁を全廃する気はない模様だ。

しかし、真の改革のため新指導部には、労働教養制度の廃止と、中華人民共和国憲法や国際社会での人権擁護義務にも合致する軽犯罪処罰の新制度制定が求められ、今年3月の全国人民代表大会において必要な法律を制定すべきである。

警察ではなく司法組織が、起訴、有罪・無罪の決定や量刑について責任を負うべきで、被告には、告発者を尋問する能力や、弁護士を雇う権利、公正な裁判が保証されなければならない。そうでなければ、一般大衆の「改革の深化」への渇望は満たされないだろう。

本記事は、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア部門(香港)の研究者で、中国の人権問題の専門家であるマヤ・ワン氏によるものです。

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