シリアで死亡したジャーナリスト山本美香さん パートナーが当時を振り返る

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佐藤さんは、1人の男が緑色のヘルメットをかぶっているのが目に入った瞬間、シリア政府軍の兵士だと思ったというが、確かめるすべはなかった。佐藤さんが体を反転させて走りだすや、銃声に続いて自動小銃の掃射音が聞こえてきた。佐藤さんは「自分に当たると思った」と振り返る。山本さんと離ればなれになったのはその時だったという。

1時間後、佐藤さんは山本さんの無事を信じて行方を探していた。山本さんが死んだとは全く思わなかったという。

反体制側の兵士に山本さんはどこかと尋ねると、「病院にいるから自分で行って会ってこい」と兵士にいわれたという。病院の1階のロビーに、ストレッチャーに乗せられて布で包まれた遺体があった。その時、佐藤さんには、それが山本さんだと分かったという。

佐藤さんは外国人ジャーナリストゆえに山本さんが狙われたと考えている。佐藤さんによれば、武装した男たちの1人はこう叫んだという。「あそこにいるぞ。日本人だ」。だが、山本さんが死の直前まで撮影していたビデオからは、何を言っているのかはっきりと聞き取るのは困難だ。

佐藤さんはこのビデオについて、「ビデオの中で彼女は生きている」と語る。佐藤さんには、これをどう扱えばいいのか分からないと話す。

佐藤さんは東京のシリア大使館に対し、銃撃事件の真相究明を求める要望書を提出した。だが回答が得られるかどうかは望み薄だと言う。

「美香は私の仕事上の、そして個人的にも人生のもっとも大切な一部分だった。彼女は私の右腕であり、左腕であり、すべてだった。彼女がいなくなり、どうしたらいいか分からない」と佐藤さんは語った。

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