トランプ氏とマスク氏、減税法案めぐり決裂 非難の応酬に
トランプ氏、マスク氏には「非常に失望」
(CNN) トランプ米大統領は5日、昨年の大統領選で掲げた個人所得減税の延長などを盛り込んだ法案に強く反対する米実業家イーロン・マスク氏について「非常に失望した」と述べた。これに対しマスク氏がすぐさま自身の協力がなければトランプ氏や共和党は選挙で敗北していたなどとSNSに投稿して反撃し、蜜月関係にあった二人の不和が決定的になった。
法案やトランプ氏に対する不満を立て続けにX(旧ツイッター)に投稿したマスク氏はまた、「新党を立ち上げるべきか」とフォロワーに問い、共和党への苛立ち(いらだち)もあらわにした。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、マスク氏が「法案の内容をよく知っていた」と述べ、政府効率化省(DOGE)を率いてきた同氏が特別政府職員の役職を辞めた後に態度を一変させたとの見方を示した。
これに対し、マスク氏は「法案を見せられたことは一度もない」と述べ、法案は歳出を抑制しておらず非常に醜い内容だと罵(ののし)った。
法案は先月22日に僅差(きんさ)で下院を通過し、上院に送られた。
両氏の法案に関する意見の相違は非難の応酬に発展した。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」でマスク氏が経営する電気自動車(EV)大手テスラなどへの政府補助金や政府契約を打ち切ることをほのめかした。
一方、マスク氏は性的人身売買の罪で起訴され2019年に自殺した米富豪、ジェフリー・エプスタイン元被告に関する文書にトランプ氏の名前があると証拠を示さずに主張した。
こうしたやり取りを受けて、テスラ株は一時15%下げた。