米フロリダ州知事、州法から気候変動への言及削除する法案に署名 海面上昇進む中
(CNN) 米フロリダ州のデサンティス知事は15日、州法から気候変動に関する言及を数多く削除する新たな法案に署名した。自身の公式X(旧ツイッター)アカウントで明らかにした。
広範な領域に関連する今回の法律は、州のエネルギー政策に複数の変化をもたらす。そこでは州法の中から、地球温暖化の影響を削減する重要性について言及した条項が丸ごと削除されるケースもみられる。天然ガスを優遇する一方、洋上風力エネルギーを禁止する措置も盛り込まれているが、現在同州沿岸で風力発電基地建設は計画されていない。
法案では「気候」の文言が8カ所で削除された。さらに州で購入する車両は低燃費車にすべきと求める内容も除かれている。
デサンティス氏はXへの投稿で、「フロリダ州は左派の計画を拒絶する。それは我々のエネルギー供給網の弱体化と急進的な気候政策の追求、外国の敵対勢力の助長を意図している」と説明。当該の法律はフロリダ州を「グリーン狂信者たち」から守るためのものだと主張した。
ジョージ・ワシントン大学のエミリー・ハモンド法学教授は、「フロリダ州の今回の措置はまさしく、気候変動の緩和に寄与するいかなる政策も重要視するつもりはないとの宣言に他ならない」と指摘した。
共和党の政治家が「気候変動」の文言を削除するのはこれが初めてではない。政府のウェブサイトからこの言葉を消すのはトランプ政権下でよく見られた行動だった。
しかし専門家によれば、クリーンエネルギーから脱却し、州法から気候への言及を削除する法案を通した州は、フロリダを除いてほとんどないという。
昨年、フロリダ州は前年に続き史上最高気温を更新。南部は特に厳しい暑さに見舞われ、最高気温は45度に達した。海面の高さは1950年よりも最大で約20センチ上昇しており、既に暴風雨や高潮などによる洪水が増加傾向にある。
デサンティス氏と州議会議員らは、洪水と暴風雨に対する地域の強靭(きょうじん)性を高めるため11億ドル(約1700億円)超の資金を拠出した。知事室が昨年行った報道向け発表で明らかにした。