「35年までに石炭火力発電を廃止」 G7環境相会議で合意成立

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石炭火力発電所の冷却塔から立ち上る水蒸気=3月25日、ドイツ/Andreas Rentz/Getty Images

石炭火力発電所の冷却塔から立ち上る水蒸気=3月25日、ドイツ/Andreas Rentz/Getty Images

(CNN) イタリア北部トリノで開催されている主要7カ国(G7)環境相会合で、2035年までにG7各国の石炭火力発電を廃止するとの合意が成立した。

石炭は化石燃料の中でも二酸化炭素(CO2)排出量が最も多い。気候変動対策の焦点となる石炭火力発電の全廃期限をめぐっては、かねて国際的な議論が続いていた。

特に石炭火力の発電割合が大きく、昨年の時点で32%を占めた日本は、これまでのG7会合で廃止の流れに抵抗していた。

英エネルギー安全保障・ネットゼロ省のボウイ政務次官は29日、伊メディアとのインタビューで「30年代前半に石炭を廃止する合意が成立した」と発表。「昨年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)では達成できなかった歴史的な合意だ」「G7諸国が討議に集まり、石炭の段階的廃止を世界に発信するのは実に驚異的なこと」と述べた。

米国務省は合意についてのコメントを避けた。米環境保護庁(EPA)は先週、国内の石炭火力発電所に対し、温室効果ガス排出量のほぼすべてを回収しなければ、39年までに稼働を停止するよう求める新たな規制を発表していた。

英シンクタンク「エンバー」のデーブ・ジョーンズ氏は「G7の英仏とイタリア、カナダが石炭火力発電の廃止を表明してから7年。このたび米国が、そしてついには日本が明確に意思表示したのは喜ばしいことだ」とコメント。ただしガスの消費は続くと指摘し、最終的にはすべての化石燃料を排除する必要があると訴えた。

G7の決断は、温室効果ガス排出量の多い中国やインド、化石燃料産出国のサウジアラビアやロシアを含む主要20カ国・地域(G20)にも影響を及ぼすことが予想される。

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