橋崩落が浮かび上がらせた移民労働者の実像、犠牲者全員が中米の出身

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事故の犠牲になったホンジュラス出身のマイノル・ヤシル・スアソ・サンドバルさん/Martin Suazo

事故の犠牲になったホンジュラス出身のマイノル・ヤシル・スアソ・サンドバルさん/Martin Suazo

(CNN) 米東海岸のメリーランド州ボルティモアで貨物船が衝突して橋が崩落した事故は、現地時間の26日未明に発生した。もし日中であれば、何百台もの車やトラックが橋の上を走行していたはずだった。

橋の上にいて死亡したと推定される6人はメンテナンス作業員だった。ほとんど気に留める人はいないものの、この国を動かし続けるために夜を徹して働く人たちだった。

6人全員が、より良い生活を求めてメキシコや中米から米国に来た移民だった。その実像は、ドナルド・トランプ前大統領が描き出すような虚像とはかけ離れている。

今回の事故で犠牲になった建設作業員6人のうち、2人は遺体が収容された。エルサルバドル出身のミゲル・ルナさんは3人の子どもの父親で、19年前からメリーランドで暮らしていた。橋の上にいたもう1人のマイノル・ヤシル・スアソ・サンドバルさんはホンジュラスの出身で米国に18年間住み、18歳の息子と5歳の娘がいた。

ほかにもグアテマラ国籍の2人が行方不明になっているほか、崩落した橋の上にはメキシコ国籍の作業員3人がいた。1人は凍るような川から救出された。

多くの場合、移民たちはほかの人がやりたがらない仕事に就く。賃金は最低、労働条件は最悪だ。米国で家族を支え、自分の子どもや孫のためにより良い生活の礎を築きたいと願う人たちもいる。貧しい国に住む親類を支えるために送金している人も多い。メキシコ中央銀行によると、メキシコの移民労働者が2023年に故国に送金した額は600億ドルを超えた。

崩落したフランシス・スコット・キー橋が再建される時、建築作業を担うのが移民であることはまず間違いない。

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