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「これは魔女狩りではない」、トランプ氏の元職員がCNNに証言 機密文書の扱い巡る訴追で

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「マール・ア・ラーゴ」の元職員、ブライアン・バトラー氏がCNNの単独取材に応じた/CNN

「マール・ア・ラーゴ」の元職員、ブライアン・バトラー氏がCNNの単独取材に応じた/CNN

(CNN) 米国のトランプ前大統領がフロリダ州に所有する自宅「マール・ア・ラーゴ」の元職員で、機密文書の不適切な取り扱いに関わる同氏の訴訟で「トランプ氏の従業員その5」と言及されているブライアン・バトラー氏が11日、CNNの単独インタビューに答えた。「マール・ア・ラーゴ」で目にしたものや、連邦捜査員らによる現場の捜索に続いて起こった結果について明らかにした。

その上で、20年来の上司だったトランプ氏について、大統領に再選されるべきではないと考える理由を説明した。

インタビューの要点は以下の通り。

箱を持ち出すと同時にFBIが現場入り

インタビューの中でバトラー氏は、2022年6月にトランプ氏の側近で訴訟の共同被告となっているウォルト・ナウタ氏を手伝い、複数の箱を「マール・ア・ラーゴ」から飛行場に移した経緯を述べた。当時トランプ氏は、夏の休暇を過ごすためニュージャージー州にある自身のリゾートに向かう準備を進めていたという。

バトラー氏によれば、これと同じタイミングで連邦捜査員らがトランプ氏のもとを訪れていた。同氏の所持する機密文書の返還について話し合うためだ。

持ち出した箱は車両の中に運び込まれ、最終的にトランプ氏所有の航空機に載せられた。バトラー氏はナウタ氏と共に箱を機内に載せたが、その時は箱の中身が何なのか分からなかったという。

トランプ氏とは「マール・ア・ラーゴ」の中で顔を合わせた。同氏は弁護士や複数のグループが面会に訪れていたリビングに向かうところだった。後になって、グループはFBIの捜査員だと分かった。この時トランプ氏は大統領警護隊(シークレットサービス)と共にいて、こちらと軽く挨拶(あいさつ)を交わしたと、バトラー氏は振り返る。

トランプ氏はリビングに入り、上記の人々と話をした。

「皆手を汚している。皆で箱を移した」

「マール・ア・ラーゴ」の保守管理者を務めるカルロス・デ・オリベイラ氏は2023年7月、施設内の防犯カメラの映像を削除しようとしたとして新たに被告に加えられた。削除の試みは司法省が映像提出を求める召喚状を出した後に行われたという。

検察はオリベイラ氏がFBIに対し、機密文書の入った箱が「マール・ア・ラーゴ」にあるのを知っていたかどうかについて事実と異なる供述をしたと主張している。

バトラー氏はインタビューでオリベイラ氏とのあるやり取りに言及。その中でオリベイラ氏は、自分を機密文書入りの箱の移動に関与した人物に加えようとしていたと明かした。

バトラー氏によればオリベイラ氏はその時、「分かるだろう。皆手を汚している。皆で箱を移した」と主張していた。それに対しバトラー氏は、自分が何を持ち出しているのか、機体に着くまで知らなかったと反論したという。

インタビューでバトラー氏は、確証がないような口ぶりながら「恐らく彼(オリベイラ氏)は、ウォルトと彼、そして私の全員が関わったことにする方が得策だろうと考えたのではないか」と述べた。

オリベイラ氏の忠誠心を問われる

この他バトラー氏は、22年8月、オリベイラ氏の40歳の誕生日に同氏と連れだってフロリダ州のカジノ付きホテルに繰り出したことを振り返った。その時ナウタ氏から連絡が入り、オリベイラ氏のトランプ氏に対する忠誠心について質問されたという。バトラー氏はナウタ氏に対し、オリベイラ氏の忠誠心に疑いの余地はないと伝えた。

その後ナウタ氏はバトラー氏に対し、SNSのグループチャットを通じてトランプ氏の側近のスージー・ワイルズ氏にその点を確認するよう求めた。ワイルズ氏は現在、トランプ氏の大統領選の選挙活動を運営している。

バトラー氏は言われた通り、オリベイラ氏の忠誠心に問題がないことをワイルズ氏に伝えた。するとそれから30分足らずで、オリベイラ氏にトランプ氏から電話が入った。弁護士を1人つけると告げる内容だったという。

バトラー氏はこの時の出来事について、普通ではないと感じつつも親友の一人であるオリベイラ氏の不利益になることはしたくなかったと説明。同氏が信用できる人物だとナウタ氏らに知らせたかったと述べた。

ただ起訴以降、オリベイラ氏とは一度も言葉を交わしていないという。

ワイルズ氏はコメントを控えた。

トランプ氏寄りの弁護士を雇うよう、オリベイラ氏から圧力

バトラー氏によるとオリベイラ氏からは、独立した立場ではなくトランプ氏の意に沿う弁護士を雇用するよう暗黙の圧力もかけられたという。同様の訴えは、トランプ氏の他の側近らからも出ている。

当時バトラー氏は既に心当たりのある弁護士を雇う準備を進めていた。オリベイラ氏には、自分の弁護のために誰にも連絡をしないよう告げたが、それでも引き続きこの件を持ち出されたという。

当時は大変な圧力の存在を感じたと、バトラー氏。費用で大きな差がつくなどとも迫られたが、「自分のことなら大丈夫だ」と断り続けたという。

バトラー氏は22年内に「マール・ア・ラーゴ」での職を辞した。

「これは魔女狩りではない」

20年間トランプ氏の下で働いたバトラー氏だが、現在は同氏を好ましく思っておらず、大統領に再選されるべきではないと考えている。

今回インタビューで「マール・ア・ラーゴ」時代のことを明かしたのは、大統領選の前に有権者が事実を知るべきだと考えたからだ。何も間違ったことをしていないというトランプ氏の主張は、「全て偽り」だという。

「米国民には事実を知る権利があると思う。事実とは、これが魔女狩りではないと言うことに他ならない」と、バトラー氏は強調。自身やオリベイラ氏に限った問題ではなく、次の大統領を決定する国を巡る問題だとの認識を示した。

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