米テキサス州の妊婦、中絶の権利求め州を提訴 胎児に先天異常、母体に命の危険も

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母体の生命の危険などを理由に、テキサス州の妊婦が中絶の権利を求め州を提訴した/Catherine McQueen/Moment RF/Getty Images

母体の生命の危険などを理由に、テキサス州の妊婦が中絶の権利を求め州を提訴した/Catherine McQueen/Moment RF/Getty Images

(CNN) 米南部テキサス州に住む妊娠20週の女性が5日、人工妊娠中絶を受ける権利を求めて州当局を提訴した。胎児が重い先天性疾患と診断されたうえ、妊娠を続けることで女性自身の生命にも危険が及ぶとの理由からだ。

米紙ニューヨーク・タイムズによれば、連邦最高裁判所が昨年、中絶禁止の判断を各州に委ねるとの判断を下してから、個人が裁判所命令による中絶を求めて訴えを起こした最初の一例。

テキサス州法では妊婦の死亡や、体に大きな障害が残ることを防ぐ場合を除き、妊娠約6週以降の中絶が禁止されている。

訴状によると、原告の女性は現在、妊娠20週。この1カ月のうちに激しい収縮痛や原因不明の分泌物などの症状で、救急病院に3回駆け込んだ。これまでに帝王切開を2回経験していることから、今回の妊娠を継続することで重い合併症を起こし、子宮の破裂や摘出などで生命の危険にさらされたり、将来の妊娠が困難になったりするリスクが高い。

胎児は18トリソミーという染色体異常が見つかっている。この病気では先天性の心疾患などがみられ、約半数が流産や死産となる。出生後も数日しか生きられないケースが多く、90%以上が1年以内に亡くなるといわれている。

女性は妊娠による苦しみにこれ以上耐え、体を危険にさらし続けることは望まないとして、裁判所が州に対し、女性自身や夫、担当医には禁止令を適用しないよう命じることを求めている。

担当医は、女性のケースが禁止令の例外規定に該当すると確信しているが、それが認められなかった場合に医師免許を取り消されたり、終身刑や多額の罰金を科されたりするおそれがあるため、裁判所命令がなければ中絶手術はできないと話している。

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