妊婦と8歳児、銃構えた警官隊とヘリが包囲 警察の「人違い」で 米カリフォルニア州

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CNN提携局KCRAの取材に答えるシャニス・スチュワートさんと息子のブランドン君/KCRA

CNN提携局KCRAの取材に答えるシャニス・スチュワートさんと息子のブランドン君/KCRA

(CNN) 米カリフォルニア州サクラメントで、妊娠9カ月の女性と8歳の息子が警察の人違いのために詰めかけた大勢の警官やヘリコプターに包囲され、銃を突きつけられる事件があった。

被害者のシャニス・スチュワートさんは17日、息子のブランドン君(8)を車に乗せてフットボールの練習に送って行く途中で、警察に車を止められた。

CNNの取材に応じたスチュワートさんは、「私たちは撃たれていたかもしれなかった」と振り返った。

サクラメント警察はCNNに寄せた声明で、銃所持などの容疑で指名手配された少年の行方を追っていたと釈明した。

スチュワートさんは、カリフォルニア州北部の幹線道路で後ろにいたパトカーのライトが点灯した際、すぐに自分の車を道路脇に寄せて止めたと話す。警官は通り過ぎると思ったが、さらに3台の警察車両が止まり、幹線道路の交通は全てストップした。

警官の指示に従って車の鍵を窓から投げ、ゆっくりと車から降りたスチュワートさんは、息子のブランドン君にはシートベルトを締めたまま車内にいるよう指示した。

「私は両手を挙げて車を降り、警官たちに背中を向けた」とスチュワートさん。警官たちは振り向いたスチュワートさんを見て、自分たちが探していた人物ではないと気づいた様子で、スチュワートさんを手招きしたという。

警察によると、警官が車を停止させ、窓を開けたところで、車内の少年が指名手配の容疑者ではなかったことに気付いた。

ブランドン君が車から降りてきたのはその時だった。「息子は泣きながら警官に、『どうかママを連れて行かないで』と懇願した」とスチュワートさんは話す。

スチュワートさんは息子にその場にとどまるよう伝えたが、警官は構わないと告げ、ブランドン君にもそちらへ来るよう促した。道路上に立ちすくむ母子の前には大勢の警官が詰めかけていて、一部は銃を抜き、ヘリコプターも到着していた。

スチュワートさんによると、警官はその理由について、2年前から容疑者を追っていると話し、ブランドン君は髪質や白いシャツなどの特徴が容疑者と一致していたと説明。一家の自宅の上空を飛行していたヘリコプターがブランドン君を認めたと言い添えたという。

警察からは翌日にも詳しい説明があったが、「全然納得がいかない」とスチュワートさんは言う。

スチュワートさんと2人で泣きながら道路脇に立っていたブランドン君は「僕が容疑者だと思われたの?」と尋ね、以後、この道路を怖がるようになったという。「息子は警官やハイウェーパトロール隊や保安官を見るたびに凍り付く。このことはずっと息子の心から離れないと思う」とスチュワートさんは話す。

ブランドン君は今もこの事件についてうまく話せないことから、カウンセリングを受けさせるつもりだとスチュワートさんは言い、警察に苦情を申し立ててカウンセリング費用を負担させたいと話している。

警察は、この事件については調査中だと説明した。

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